やれるのか、やれないのか、はっきりするのはいつになるのだろう。新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期になり、来夏に予定される東京五輪・パラリンピックだ▼国は「人類が感染症に打ち勝った証しとして開催する」と言い続ける。国内外で感染は収まらず、頼みのワクチンも実用化がおぼつかないというのに。先月発表された研究機関の全国意識調査では約85%が「現実問題として来年も無理」と回答した。この受け止めの開きは、一体何なのか▼簡素化に向けた取り組みにも肩すかしを食らった。延期により数千億円も経費が増えるため、200以上の項目で検討していたが、出てきた削減額は300億円。昨年末時点の全体予算1兆3500億円の約2%にとどまる▼準備が進んでおり、競技や選手の規模も維持する方針のため、抜本的な見直しには至らなかったという。注目された開閉会式の短縮などにも、スポンサーの事情から手を付けられなかった。コロナ禍の下で開催するに当たり、国民を納得させる中身なのかどうか▼気の毒なのは選手たちだ。見通しが立たない上、練習も思うようにできない。肉体的にも精神的にも持たず、現役を退く人さえいる。気をもませる時間は短い方がいい。そうでないと、みんな疲弊してしまう。(2020.11.12)