米大リーグには監督に関する言葉が幾つかある。「監督には2通りしかない。クビになった監督と、これからクビになる監督だ」「監督とは辞任するものではなく、クビになるものだ」「監督はクビになるために雇われる」▼いずれも、結果が伴わなければ責任を取らされる勝負の世界の厳しさと、監督がいかに因果な職業であるかを皮肉っぽく言い表している。英語の「fire」(解雇する)と「hire」(雇う)の音が似ているのは偶然か▼プロ野球東北楽天が、三木肇監督の退任と石井一久ゼネラルマネジャー(GM)の監督就任を発表した。三木監督は2季ぶりに2軍監督に就く。GM兼務の「全権監督」と、降格とも言える配置転換。異例の人事だ▼大型補強をして臨んだ今季は、終盤に失速して4位。昨季の3位から順位を下げた。平石洋介前監督の解任を疑問視する声があっただけに、監督交代は致し方ないのだろう。三木監督は若手選手やコーチへの指導力に定評があるだけに、適材適所ということか▼石井新監督は選手、GMとしての実績は申し分ないものの、指導者の経験はない。ファンが望むのは、2度目の日本一と長期的視点に立った強いチームづくり。手腕が未知数の新監督は来季、その期待に応えてくれるのだろうか。(2020.11.14)