引き出しを開ける、閉める。また開ける。1時間、2時間。時計の針が無情に時を刻んでいく。
 5月の改元時、平成の報道写真を何枚か再掲載した。端末で画像データを呼び出せるものの、平成初期の古いものは一部しか対象にならない。そうなると資料室にある大量のプリントから探し出す必要がある。まるで発掘作業だ。
 朝刊のデスク作業が終わった深夜、資料室のフロアに並んだロッカーに向き合う。事象別に分類されてはいるものの簡単には見つからない。散逸や保管漏れがないという保証もない。「本当に見つかるのか」「元々ないのかも」。作業はそんな疑念との闘いになる。
 平成の重大事件の写真を探していた時のこと。ようやく見つけた資料袋の中身がない。「裁判コーナーに移しました」。袋のただし書きが深夜の苦闘をあざ笑う。「裁判のロッカーってどこだよ!」。空の袋を握り締め、膝から崩れ落ちた。
(報道部・斎藤秀之)