石巻市開成、南境の両地区に約1900戸の大規模なプレハブ仮設住宅があった。先日近くに立ち寄った際、防音シートに覆われた解体工事の現場を見て大きな節目を感じた。

 初めて訪れたのは2014年春。災害公営住宅の抽選をしていた時期で、抽選に外れた男性は「公平に行われているのか」と憤っていた。狭い部屋で隣の生活音が漏れ聞こえる窮屈な環境。原則2年の入居期間が過ぎ、老朽化やカビなど問題が噴出する中でいら立つのも無理はなかった。

 昨年3月、宮城県内で最も遅く完成した災害公営住宅に引っ越す女性を取材したのもこの団地だった。「やっと出られる」。そう語る顔に疲労がにじんでいた。

 宮城県内のプレハブ仮設は名取市を最後に入居者がゼロになる。阪神大震災より4年以上の期間を要した。「仮住まい」と呼ぶにはあまりにも長すぎた。
(報道部・鈴木拓也)