「本で読んでも分からないから面白いんだ。理論は感性の後ろにできる道だ」。成績優秀で人気者の「リア充」男子高校生がひょんなことから東京芸大合格を目指す美術漫画「ブルーピリオド」。4月、未経験の美術担当になり、主人公のせりふに考えさせられた。

 仙台市内で開かれた展覧会。「なぜこの色を選んだのか」「題名の趣旨は」。理由を欲しがる記者に、日本画を出品した女性は「そういうのじゃなくて…感覚でいいなと」。きまり悪そうに答えた。

 何でも理屈で割り切ろうとする記者が無粋で浅はかに思えた。漫画の主人公は入門書の理論を捨て、感性を頼りに情熱的な絵を描き上げる。理屈で説明できない世界をどう言葉で表せるのか。試行錯誤しながら取材する日々だ。

 「ブルーピリオド」はピカソ初期の「青の時代」にちなむ。作者の真意が読者に届くよう、青くさく、貪欲に言葉の限界に挑みたい。
(生活文化部・江川史織)