「女性記者は近づけないようにしているよ。周りに何を言われるか分からないから」

 新年度のあいさつで、目が点になった。「高度なジョークに、私の理解が追い付かない?」。あれこれ考えてみたが、納得できる答えが見つからない。近づけないわけなので、真意は不明のままだ。

 この春、内勤から外勤に異動した。社外の人と接することもなく、閉ざされた職場だったが、性別を気にして働くことはなかった。会社を一歩出た途端、「女性」記者に自動変換されることを改めて実感した。

 「#MeToo」運動後、必要以上の配慮や警戒から、かえって窮屈な社会になった気がする。お互いの距離感は、コミュニケーションの蓄積で分かるものだろう。

 声高に女性の権利を主張するのは好きではない。ただ普通に話をして、普通に仕事したいだけなのだ。共感してくれる人はいるだろうか。
(報道部・相沢みづき)