コロナ禍の中、至る所で「自粛」が叫ばれるようになると、少しでも自粛に消極的な態度を取る人は白い目で見られがちだ。見られるだけならまだいい。暴言を浴びせられたり、脅迫まがいの行為に悩まされたりする人も出てくる。

 「同一歩調」が乱されることで、感情がエスカレートしてヒステリー状態になる。そういう人たちを「自粛警察」というらしい。「正義感」という聞こえがいい言葉をまとい、他人の言動を批判する。常軌を逸した「正義感」ほどたちが悪いものはない。

 「自粛-自ら進んで自己の言動を慎むこと」と辞書にある。自己判断の領域で、他人からとやかく指図される筋合いはないのだ。

 東日本大震災時にも叫ばれた「自粛」。独り善がりな「正義」や「善意」が幅を利かせ、同調圧力が至る所ではびこった。非常時の今こそ、自身の行動は自ら冷静に判断したい。
(生活文化部・相原研也)