西日本豪雨は平成最悪の豪雨災害となった。連日、紙面では死者数、安否不明者数の増加が止まらず、被害の拡大に目を疑った。
 8日社会面に出張で訪れていた本紙記者がルポを掲載し、交通寸断で混乱するJR広島駅(広島市)のリアルな様子を伝えた。機転を利かせた取材で、評価したい。
 この後の地元・宮城の動きが気になった。主に仙台市の動向を中心に振り返ってみる。同日のみやぎ版は、仙台市が連携協定を結ぶ岡山県総社市に、支援物資を発送したことや市職員を派遣したことを報じた。10日3面では、仙台市が応援本部を設置したことを伝えた。3月の市災害時応援計画策定後、初めての設置で、計画がどのように実行されていくのか、読者に知ってもらえる情報となった。
 「今こそ、恩返しの時」の見出しで、総社市に派遣された職員が戻り、仙台市長に状況報告をしている様子を写真と共に掲載したのは11日みやぎ版。豪雨被災地へ支援が着々と進んでいること、そして避難長期化に対応する支援が必要であることが分かった。「恩返しを」は読者共通の思いでもある。

 13日の社説は「被災者を全力で支援したい」。食中毒・感染症を防ぐための避難所でのアルコール消毒や「在宅避難者への支援も忘れてはならない」と、細かな提言がなされた。論説委員が東日本大震災での経験を振り返り、被災地でその教訓を生かしてほしいとの熱い思いが伝わる。みやぎ版では14日に「西日本豪雨 支援広がる」、18日は「仙台市復旧サポートへ本腰」と、総社市に現地応援本部を設置し、多数の職員が派遣されることを取り上げている。
 前を向く記事に、自分も何か支援をしたいという気持ちになる。しかし、遠距離でもあり、多くの人は現地へ行ってボランティアをするまでには至らない。どのような支援ができるのか。多くの情報を得て心を寄り添わせることに新聞は役立っているのではないか。
 一方、23日のみやぎ版「震災伝承ノウハウ伝授」では、仙台市職員の自主勉強会「Team Sendai」(チーム仙台)が、若手弁護士向けに初の出前講座を開くことが紹介された。
 チーム仙台は震災時の活動記録を新規採用職員の研修で朗読するなどして、生きた教訓を共有してきた。自治体職員は異動が付きものであり、ほとんどの職員は現在、震災時とは別の部署にいる。経験を伝え続けるための職員有志の自発的な取り組みは、今後も追ってほしい。それは、震災を伝承していく本紙の役割と重なる。

 夏は、やはり甲子園。連日、高校野球宮城大会の戦績を報じていて、楽しみの一つだった。筆者は、夏といえば炎天下で汗を流しながら練習に励み、吹奏楽コンクールに全力を注いだ日々が懐かしい。お願いがある。全日本吹奏楽コンクール宮城県大会の結果を載せてもらえないだろうか。
 8月には、どのような笑顔が紙面を飾るのか。厳しい暑さの中、一服の清涼剤となる記事を楽しみにしたい。