「災」が今年の漢字に選ばれるほど自然災害が多発し、「災害レベルの暑さ」という言葉を初めて耳にした。その2018年も終わろうとしている。
 師走に入り札幌市で起きた爆発事故は日常に潜む危険が、災害にまで発展し得ることを示した。災害や事故が相次いだこの一年の中でも、本紙は魅力ある紙面づくりに徹したのではないか。人と人をつなぐ取り組み、地方からの情報発信、2カ面見開きの拡大版活用の三つの視点から振り返りたい。

 まず、人と人をつなぐ取り組みである。12月5日朝刊1面で「仙台人口減5区で進度差」とし「泉最速 若林緩やか」であることを伝えた。光のページェントでにぎわう街並みからは想像できないが、人口減は避けられない現実だ。
 そうした中で、11月21日朝刊ワイド東北面の「浪江にカフェ 駅前の顔に」や、同19日夕刊1面の「手作りカフェ 子ども成長」などの記事に目が留まった。
 東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難指示が昨年春に一部で解除された福島県浪江町で、JR浪江駅前にカフェ「もんぺるん」がオープンする一方、仙台市青葉区では、子どもたちが主体となって企画、運営するカフェイベント「ミライズ子どもCAFE」が開かれ、来店者からは「子どもたちが生き生きとしてよかった」などという感想が聞かれたという。
 地域は違っても人と人がつながるカフェという取り組みに希望を感じる。人口減社会であるからこそ、人とのつながりを深めるさまざまな様子を紙面化してほしい。
 次に、地方からの情報発信。本紙は各地の特色ある活動を丹念に報告している。12月21日の社会面では、男鹿市で大みそかの伝統行事ナマハゲに備え、ナマハゲ役の人を対象に声の出し方や歩き方の講習会を開いたと伝えた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録も、こうした努力に支えられていることが分かる。
 先立つ9日のワイド東北面では「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録を目指し、縄文文化を学ぶフォーラムが盛岡市であったと紹介。文化財を未来に引き継ぐ機運の高まりを感じた。

 最後に、拡大版活用である。8日に河北新報社防災・教育室主催の「しんぶんカフェ」で、新聞を使ったカレンダーづくりの講師を務めた。その際「最近、拡大版がとてもよい」と話題になった。
 11日朝刊の「防災・減災のページ」のように、2カ面見開きで意見やデータを紹介している記事は読み応えがあり、学校の教材にも活用できる。読者の関心を喚起する手法と言える。
 一方で朝刊のカラー写真と白黒写真の分量が気になる。読者に伝わる情報量や関心を高めるためにもカラー写真の増量を望みたい。
 来年は変革の年。改元という歴史的事象を初めて見聞きする世代も多い。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの前年でもある。人々が主体的に関わる取り組みや生きざまを伝える紙面づくりを期待する。