2011年3月11日。あの日から多くのことが変化し、今もなお変化し続けている。そのことを新聞に多く見いだすようになった。
 朝刊1面の連載「縮小の先へ 被災地と人口減」は3月18日で終了した。「生活」や「インフラ」など、震災後の生活基盤の実態を丹念に取材しながら、地域に残されているさまざまな問題を指摘してきた。
 8日の「戻らぬ児童 深まる苦悩」では、福島県川俣町山木屋地区を取り上げ、子どもたちの元気な声が地域に戻る、という住民の期待が厳しい現実にさらされていることを伝えた。昨春、山木屋中との一貫校として、地元で授業を再開したばかりの山木屋小は3月いっぱいで閉校となる。「子育て世帯が帰還しない」という。震災によって住む地域、学ぶ場所も大きく変化してしまったのだ。
 18日の「空き地解消 地域で格差」は岩手県大槌町、気仙沼市、名取市を取り上げ、地域ごとに空き地解消に格差があることを示した。土地の需要が見込めない地域がある一方で、企業の注目を集める地域もあるという。
 震災後8年。この連載は、風化していく意識を、今ある現実と向き合わせてくれる企画であった。こうした問題を新聞の「顔」である1面で取り上げる意義は大きいと感じた。今後も幅広い取材と報道を望みたい。

 こうして社会全体が先細りしていく中で、希望となるのは若い世代の力である。
 17日朝刊1面は「風化防ぐ 伝承担う」の見出しで、本紙が東北福祉大、仙台市などと協力し運営する東日本大震災の通年伝承講座「311『伝える/備える』次世代塾」の第2期修了式が、仙台市内であったことを伝えた。
 修了生を代表し、東北福祉大2年の南生夏実さんは「防災や減災について家族や友人たちと共有し、被害を繰り返さないようにすることが大切。一年を通して学んだことをしっかりと踏まえ、災害に対する備えを後世に伝えていきたい」と述べた。
 社会面では次世代塾の修了式の様子を紹介した。修了生が1年間の講座を振り返るグループ討議を行い、一人一人が震災を語り継ぐ重要性を確かめた。掲載された写真からも活気あるその様子が伝わってきた。多くの在仙の大学生も参加した講座の学びは今後、教師や社会人となる修了生によって広く伝えられていくことだろう。
 第3期は4月20日に始まり、震災発生直後、復旧期、復興期の3段階に分け、講座ごとに「捜索と救命」「避難所の苦闘」「なりわい再生」といったテーマ設定をし、グループ討議の時間も設けて理解と交流を深めていく予定だ。これからも被災地に根づく学びとして、その継続を願っている。

 明日、私たちは新しい時代へと歩みを進める。どんな時代になっていくのか、期待と不安とが交錯するばかりだ。変化し続ける日々の中であっても、地域に根差し、人々の思いや願いを伝える報道を本紙に期待してやまない。