6月に入り、目にする紙面の彩りが一層鮮やかになったと感じている。若葉が青い季節から移ろい、歳時の花々があちらこちらで咲き誇っているからだろうか。連日のように季節の花々が紙面を飾る。22日朝刊みやぎ面の「香りに誘われユリ畑鮮やか」は、栗原市のゆり園が開園したことを告げていた。ユリの写真を大きく扱い、香りまで漂ってくるような紙面だった。季節は夏を迎え、観光地や景勝地の様子を伝える記事も目につく。モノクロよりカラーの方が大きなインパクトを与えるのは言うまでもないが、写真は読者にアクションを起こさせる大事な役割を担っていることを実感した。

 16日朝刊1面「とうほくドローンeye 四季散策編」の秋田県三種町のジュンサイ摘みは、空撮した写真を載せつつ、QRコードを読み取って動画が見られる紙面となっている。活字離れが進む若い世代に新聞を身近に感じてもらい、読者として取り込めるきっかけになるのではと思う。

 今年も半年がすぎ、明日から文月。紙面では夏祭りへ向け「盆踊り」の練習に余念がないことを紹介している。16日朝刊みやぎ 街ひと話題面に「宮城野盆踊り一緒に」が掲載された。戦後の盆踊りブームが起きた1954年、仙台市宮城野区で誕生した宮城野盆踊りを子どもたちも一緒になって練習し、住民同士の交流を深めているという内容だ。同日朝刊ワイド東北面「あすへ 東日本大震災」でも、岩手県大槌町の郷土芸能「臼沢鹿子踊」も、伝統の舞が人をつなぎ、心のよりどころになっていると伝えていた。

 盆踊りや郷土芸能は、祝い事や故人の供養のための舞が受け継がれてきた。脈々と伝わってきた地域の伝統は東日本大震災以降、「人と人をつなぐ財産」と再認識されている。各地の保存会メンバーも増えてきているそうだ。人を通しての地域の伝統文化取材には、これからも力を入れてほしい。地域の一員としてどんな役割を担うか自覚が生まれ、励みにもなると思う。

 19日朝刊みやぎ面の「気仙沼市 ごみ出しアプリが指南」は家庭ごみの分別や収集日が検索できるスマートフォン向けアプリが運用されることを報道した。宮城県内では仙台、石巻、名取に続く4例目だという。ごみ減量化への理解を深めることにつながり、まだ導入していない市町村への呼び掛けにもなると思われ、生活者の視点から良い記事だと感じた。だが、気仙沼市の運用開始を知らせるだけではなく、既に導入している3市の現状も併せて伝えてほしかった。

 20日朝刊みやぎ面の学生グループ「せんだい未来会議」が仙台市議選に向け「仙台若者ビジョン提言書」を発表した記事はとても興味を引いた。若者が描く理想の都市像や政策をまとめており、積極的に社会と関わって街づくりの提言をしている。「若者世代に選ばれる仙台」を基本理念に据えているという。「未来会議」を引き続き追い掛け記事にしてほしい。

[たなか・しづ氏] 1967年、鶴岡市生まれ。医療短大卒。2013年まで約8年半、宮城県内の食や旅、文化を紹介する月刊誌「りらく」編集長。同年2月から「繋がる結ぶOne Story」ビジネスマッチング・プロデューサー。次世代へ和の心を結びつなぐ「五感で愉しむ和の習い事」waraku主宰。富谷市在住。