7月は紙面が「参院選」一色といってもよかった。6月30日の本欄で触れた仙台市の学生グループ「せんだい未来会議」のメンバーが「仙台若者ビジョン提言書」を郡和子仙台市長に手渡し、意見交換したことを6日の朝刊みやぎ面で伝えていた。若者の政治離れが進む現状に触れ、郡和子市長に疑問をぶつけた。同グループは、市議会各会派や立候補予定者にも提言書を届けている。

 一連の活動に注目しているのは、学生を含めた若者の行動こそが政治のあり方を大きく左右するからだ。その意味で、20日朝刊みやぎ面で「東北6県都で唯一大学内に期日前投票所ゼロ」の記事を評価したい。「学都仙台」と呼ばれるように、仙台市が抱える学生数は東北の他市と比べ桁違いに多い。その学生たちに投票を促す最も効果的と思われるのが大学構内に投票所を設置することであろう。にもかかわらず、設置に後ろ向きという仙台市選管の姿勢を批判している。もっともだと感じたのは私だけではないに違いない。

 投票日翌日の22日朝刊みやぎ面は「投票率低下51.17% 期日前投票全体の16%」と伝えていた。18歳選挙権となり、各選管が若者の投票率アップに躍起となっている。できることは何でも取り組む姿勢が必要ではないか。これからの日本を担う若者の生の声を生かすために、同グループの活動を追うと同時に、仙台市選管の対応についても継続して取材してほしい。

 参院選の次に目を引いたのは「インバウンド」関連だった。18日朝刊経済面に「上半期訪日客最多1663万人」と、1~6月の外国人旅行者が過去最高を記録したとあった。20日朝刊3面では「宮城 観光客最多6414万人」と東日本大震災前を上回り、特に石巻の伸びが大きく、気仙沼も好調だったと報道した。国内外問わず観光客が宿泊、滞在する体制づくりには、広域観光の取り組み強化と、各自治体の特色を生かした「体験」の商品化が必須だ。

 6日朝刊経済面で「観光プロモーション・VISIT東北」が取り上げられていた。東北で暮らす人、物語に焦点を当てたコンテンツづくりで台湾からの誘客事業を一元的にサポートする取り組みに関心を持った。同様に、インバウンド底上げに向けて、まだあまり知られていない取り組みやビジネスを発掘し紹介するのも報道機関の仕事だろう。仙台空港と台北を結ぶ国際定期便の増便も後押ししながら、誘客だけではなく宮城、東北から訪台する情報も望みたい。

 自治体と大学、高校の連携を取り上げた記事も多く見られた。5日朝刊経済面の福島県国見町と桜の聖母短大が連携した「桃スイーツ」開発、8日朝刊ワイド東北面にある石巻専修大と石巻北高、宮城水産高が共同商品化した米粉入りかまぼこ「こめぼこ」などだ。23日朝刊みやぎ面には丸森町議会と伊具高生が「住みたい丸森」をテーマに論議したとある。地域を元気にするため各地で模索が続く。そんなモノ、ひとを今後も取り上げてほしい。

[たなか・しづ氏] 1967年、鶴岡市生まれ。医療短大卒。2013年まで約8年半、宮城県内の食や旅、文化を紹介する月刊誌「りらく」編集長。同年2月から「繋がる結ぶOne Story」ビジネスマッチング・プロデューサー。次世代へ和の心を結びつなぐ「五感で愉しむ和の習い事」waraku主宰。富谷市在住。