8月に入ると、仙台七夕まつりをはじめとする夏祭りや花火大会が各地で開催された。祭りやイベントを伝える紙面は写真が多く、カラフルだった。子どもたちが夏休みということもあったのだろうか、レイアウトを含め、いつもより読みやすさを感じた。

 そんな中、私なりに二つのキーワードから紙面を注視した。一つは「若い感性」。

 24日朝刊みやぎ面の「仙台市議選でもセンキョ割」は、投票した証拠を提示すると飲食店などで割引サービスが受けられることを知らせている。「センキョ割」は東京のPR業社が投票率アップに向け企画した。仙台では7月の参院選で始まり、仙台市議選でも実施された。企画にも、反応した記事にも「若い感性」を感じる。具体的な記述はないが、企画自体は若者がターゲットとみられる。中高年向けに、どんな店舗が参加しているかまで触れてほしかった。

 街づくりに「若い感性」を生かそうとする取り組みも広がっている。やはり24日みやぎ面に、気仙沼市役所でインターンシップ(就業体験)をした大学生たちが、市が抱える課題に対する提案をしたニュースがあった。「インスタグラム」を活用して自然や食の情報を発信する提案がなされた。記事はここで終わらず、人口減少対策として地元の高校生に、気仙沼市内の企業で働く魅力を知ってもらう重要性を訴える提言にまで触れていた点が良かった。

 同日朝刊ワイド東北面では、山形県高畠町の童話作家・浜田広介氏を顕彰する浜田広介記念館が30周年事業として「ひろすけ童話セット」を販売することを知らせている。挿絵を担当したのは東北芸工大の学生たち。関わった学生たちと新たに制作された「童話セット」の写真が大きく掲載され、学生たちの「若い感性」が発揮されたことがよく伝わってきた。

 二つ目のキーワードは「観光資源」。16日朝刊12.13面の東北七新聞社協議会の「とうほく創生Genkiプロジェクト」の第1回「かがやく観光」特集は、東北を訪れる外国人客(インバウンド)をもてなす東北6県それぞれの「観光資源」を紹介している。読み応えがあった。

 今やインバウンドは、リピーターが全体の6割。行き先は都市部から地方へと広がっている上、体験型、地域の人と触れ合うディープな観光が求められている。東北はまだまだ魅力を発信できることが分かる内容の濃い特集であった。だが、読めば読むほど、インバウンドに限らず、東北は国内観光客向けにも「体験」「人」「食」をアピールしていくことの大切さを感じた。本紙に期待したい部分でもある。

 22日朝刊経済面、「宮城の『味』力 空から発信」は羽田空港発着の国内線ファーストクラスで宮城の食材をふんだんに使った夕食を提供することを伝えている。これも「観光資源」。このような、宮城を訪れるきっかけとなる記事が9月以降も本紙の紙面を飾ることを期待している。

[たなか・しづ氏] 1967年、鶴岡市生まれ。医療短大卒。2013年まで約8年半、宮城県内の食や旅、文化を紹介する月刊誌「りらく」編集長。同年2月から「繋がる結ぶOne Story」ビジネスマッチング・プロデューサー。次世代へ和の心を結びつなぐ「五感で愉しむ和の習い事」waraku主宰。富谷市在住。