今月1日からの消費税増税における飲食料品への軽減税率適用は広く知られている。軽減税率は週2回以上発行される新聞にも適用されている。新聞は食料品と同等の重みを持つ生活必需品という位置づけからであろう。以上を踏まえ、私は既存メディアより秀でた新聞の独自の「記者の持つ取材力」に注目している。

 まず、関西電力幹部が金品を授受していたという事件を取り上げる。東日本大震災による東京電力福島第1原発の問題に今も直面している東北としては関電の話といえども看過できない。本紙では9月27日朝刊社会面、同日夕刊1面でも取り上げ、連日その推移を伝えている。その後、毎日のように新事実が明らかとなるため、朝刊・夕刊2紙体制を取る本紙の面目躍如というところであった。

 ここで、読者はこのような不祥事が他の電力会社にもあるのではないか、憂慮したのではないか。今月4日には経済産業省が各電力会社に対し、金品授受の調査を行うように指示を出している。

 これに先がけて3日、いち早く各電力会社の金品授受を報じたメディアはNHKであった。その取材に東北電力は「常識の範囲を超える金品の受け取りはない」と回答している。本紙も5日の朝刊3面で役員と全社員について「社会通念上、常識の範囲を超える金品の授受はない」と報道している。本紙記者には「常識の範囲」とはどの程度なのか、同時に地元側がどんな物を贈っていたのか取材してほしい。9日には、関電トップが引責辞任を表明している。おそらく高額であろう幹部の「退職金」も追及することを期待する。

 次に注目したのは仙台・宮城に関わる報道である。道路照明灯電力過払いに関して、仙台市は歴代市長にも負担を求める方針を市議会で表明したと9月28日の朝刊みやぎ面にある。25日の朝刊社会面では宮城県と仙台市の教育委員会が教職員の退職金を過少算定していたことを伝えた。対照的とも言える二つのニュースである。本紙記者には教職員の退職金の追加予算は、だれが負担するのかという一歩踏み込んだ疑問を取材でぶつけて報道することを望みたい。

 事案のファクトを伝えることは基本であるが「河北新報の取材に対し」という一文が記事に加わり、それが正鵠(せいこく)を得た質問であれば、読者(私)もうなるであろう。

 今月7日の朝刊みやぎ面に、先に行われた仙台市議会議員選の低投票率は「テレビや新聞で選挙報道が少なく、関心が高まらなかった」からと市選管事務局が市議会で答弁したとあった。市議選を取り上げた本紙の記事がこれまでの選挙と比べ本当に少なかったのか、ぜひ本紙側から定量的エビデンスを提示してもらいたい。