4日朝刊みやぎ面で「いじめ件数仙台一転増」を伝えていた。仙台市立小中学校におけるいじめの内容で、「冷やかしやからかい」が多かったとある。学校現場は丁寧に児童生徒から聞き取りを行っていることはあまり知られていないが、読者はどのような状況を思い描くであろうか。例えば、「冷やかしやからかい」といっても小学1年生と中学生というように、年齢によって様相が異なっていると思われる。もっと具体的に記すことで、読者は子どもたちの状況をより理解できるのではないか。

 18日夕刊3面の「自立心 地域で育み12年」に目が行った。仙台市若林区の連坊小路小児童を対象にした「通学合宿」である。合宿所となる松音寺を含む地域が子どもたちの育ちを応援している。この通学合宿が続いていることを知り、うれしくなった。継続した取り組みとして東日本大震災を機に仙台市若林区のせんだい農業園芸センターで行われている「わらアート」(20日朝刊7面持論時論)、被災農家を支援する「東北コットンプロジェクト」(25日朝刊みやぎ面)をも取り上げている。

 これらは1回の紹介記事で終わらせず、引き続き取材・報道が必要だろう。関わっている方々の励みになるだけではない。復興の進み具合を知らせるとともに、「こんなこともできる」と読者が思うからだ。

 宮城県民会館と県美術館の記事に注目した。16日の朝刊1面「新県民会館と美術館集約」、19日の朝刊みやぎ面「一体整備 相乗効果狙う」、3面「宮城県施設配置3案提示」から、収容人数2000人規模の県民会館と美術館の機能を集約し「東北最大の芸術文化拠点」の具現化を目指すことが分かった。色別の図解を付け分かりやすく見せている。

 しかし、ここで分からないことがある。現美術館は良好な立地環境も含めた建築物としての価値はどのように評価されているのか。世界的に有名なル・コルビュジエの弟子で日本を代表する建築家の故前川国男氏が手掛けたものだ。歴史的な建造物は改修を施し、丁寧に利用されてにぎわっている例が国内にある。複合的かつ相乗的ににぎわいの創出や経費削減も勘案した結果ということだが、スクラップ・アンド・ビルドにとどまらない視点で報道してほしい。

 15日の朝刊1面「水道民営化 経費200億円削減要求」、みやぎ面「業者選定基準重視を」を何度も読み返した。宮城県が水道3事業の運営を一括して民間に委ねようとする試みから逼迫(ひっぱく)した県財政が見て取れた。選定業者側に課せられた削減額は県が試算した通りになるのだろうか。水の安全性、地域格差のない安定的供給の維持など県民の一人として不安を抱いてしまう。

 24日朝刊みやぎ面の「水道事業みやぎ方式 料金や安全性論戦必至」では11月県議会に提出された条例改正案の論点を整理している。本紙が先に行った県議選候補者アンケートを基に、論戦が伝えられることを期待している。