16日の朝刊「アングル」は東北コットンプロジェクトを取り上げていた。「丁寧な苗の管理、細かな間引き作業…」など、記者が何度も足を運び取材を重ねてきたからこそ書ける内容ではなかったか。取材される側からすれば、活動全体が紙面化されることで次への意欲につながりそう。記者の「伝える」使命感が取材相手のさらなる意欲を呼び起こす、その好循環が生まれるのではないか。

 スマートフォン、ネット、ゲームなどから懸念される諸状況について2日、11日、14日の各朝刊社説、13日朝刊のくらし面「子どもの急性内斜視」と社会面「宮城県の高校生寝不足」、21日の朝刊社会・総合面には「視力1.0未満小学生34%」が掲載されている。

 電子機器との接触が子どもたちの心身に影響を及ばしていることが各記事から理解できる。ゲームやスマホにのめり込んでしまい、睡眠不足が慢性化し昼と夜の逆転からくる生活リズムの崩れもそうなのかと思う。さらに、電子機器利用が避けられない、いまの時代を生き抜いていくには、どうしたらよいのかを見据えた特集や社説の展開を求めたい。

 宮城県内にはこの状況を追究してきた脳科学者や小児科医等の専門家が複数いる。取材を多方面に拡大し、読者に詳しく伝えてほしい。これだけの記事を掲載できるのだから、断片的ではなく、総合的に継続発信できる力が新聞にはあるのだと思った。

 14日朝刊女性のページは「若者の性」についてであった。「青少年の性行動全国調査」から見える若者の性の現状について専門家が解説している。その下に「調査結果 わたしはこう見る」に70代と20代の2人の意見が掲載されている。これまで活動を積み重ねてきた実践者と、活動を始めてからさほど年月が経過していない学生の異なる視点が興味深かった。限られた紙面の中で構成も工夫したことも見て取れる。

 左上のサタデーコラム「女の子とピアノ教室の社会史」。「若者と性」とは異なるが、女の子の子育てから見える家庭の価値観がうかがえ、併せて読み応えのある紙面であった。

 10日夕刊3面の「『せんだい未来会議』最優秀賞」は仙台市内の学生グループがマニュフェスト推進賞の最優秀賞を受賞したことを伝えている。市への政策提言などの活動が評価されたとのこと。笑顔が実にいい! 記事の中に「若者の意見が政治に反映されにくい」とある。だからこそ、若者の声はもちろん、活動自体を紙面で紹介することも大切なことだろう。

 今月は宮城県美術館の移転・建て替えを巡る社説や取材記事、読者の声が連日のように載っている。ほとんどが移転反対を訴えており、異なる意見が報道されていない点が気になる。県議会の様子も含め、論点を整理し特集を組んでみるのはいかがか。若者の視点など掲載する世代の幅を広げる工夫、さらに議員や行政と県民が共に考える場として紙面が活用されることを期待する。