小正月の伝統行事が各地で行われた様子が朝刊みやぎ面で紹介された。小中学生が中心に担ってきた東松島市の国の重要無形民俗文化財「えんずのわり」の中心行事「鳥追い」(15日)、南三陸町で江戸時代から続く「ささよ」(18日)がともに少ない人数で実施された。石巻市の宮城県無形民俗文化財の祭事「おめつき」は今年、中止となった(16日)。東日本大震災の影響や高齢化、地区内人口減少などで担い手確保が難しくなったことが伝わってきた。

 これらの行事は貴重な文化である。伝承に苦労している現地をおもんぱかると、伝えるだけではなく、存続のための考察や国内外の事例を紹介するなど、地元紙として果たすべき役割があるのではないかと思った。

 12日朝刊1面で「震災報道 使命つなぐ」と題し、神戸新聞社が阪神大震災後に入社した記者、現在の震災担当者向けに実施している勉強会を伝えている。3面の「東北からも復興へ提言 兵庫・西宮で交流集会」では、東日本大震災被災3県から関係者約100人が兵庫県での交流会に参加したこと、ワイド東北面の「見て聞いて教訓伝える」では、仙台市での阪神大震災の巡回パネル展開催をそれぞれ報じた。17日ワイド東北面には石巻、名取両市の市民らが神戸市などを訪問した「語り部同士交流深める」があった。以上の記事は二つの震災の被災地住民が相互に交流している様子を報道している。共通点は伝えること、風化させないこと、さらなる復興に向けた動きと見て取れた。

 阪神大震災以後に生まれた兵庫県内の大学生を対象にしたアンケート結果が17日夕刊2面「若者継承を模索」に注目した。「被災者の感情や思いの継承に力を入れるべきだ」と答えた59%に対し、「防災に役立つ情報を優先的に伝えるべきだ」が82%だった。

 この記事を受け本紙は3.11に向けてどこに力点を置いて報道するのだろうかと思った。被災地の現状と思いを伝えることは必須だが、阪神大震災から見えてきたこと、18日朝刊1面の「伊方3号機再び差し止め」と、それについての社説(19日)を踏まえた報道をぜひ考えてほしい。一連の記事を読み、さらなる復興を目指す上で、両震災から本紙と神戸新聞がそれぞれ得た教訓を共に報道することも大切ではないか。

 
 12日朝刊1面「学校避難訓練 多角的評価」、21日朝刊1面「宮城県教委が学校防災会議」から、宮城県教委が東北大災害科学国際研究所や学校関係者と共に学校防災の取り組み強化を目指していることが分かった。石巻市大川小訴訟の判決確定後、具体的に一歩踏み出したようだ。

 地震・津波の避難訓練を評価するチェックリスト作成も進めるという。「評価」の結果を学校だけに負わせてしまうものなのか。学校・地域・行政が協働で、より良い学校防災にどうつなげていくかなど掘り下げた記事を望みたい。もちろん策定のプロセスを継続して報道することも期待する。