13日の朝刊みやぎ面「仙台・坪沼の乗り合いタクシー つぼぬま号予約制導入」は14年間続いた運行形態を4月から一新することを伝えた。車両を10人乗りから5人乗りへ縮小して予約制とし、仙台市の地域交通乗り乗り事業を活用し改めて試験運行から取り組むという。少子高齢化や人口減少が進む中、地域の交通手段を確保、存続させることがいかに逼迫(ひっぱく)しているかを感じた。

 仙台市宮城野区燕沢地区で試験運行している乗り合い交通を見ても分かるが、地域の足をどう確保するかは、かつて新興住宅地として開発された諸地域が今後直面する課題といえる。取材を重ね紙面化することで、存続に知恵を絞っている各地域へさまざまな情報を届けてほしい。

 3.11が近づく中、東日本大震災に学び、伝えることに取り組んでいる方々の記事に目がいく。11日の朝刊特集「第97回巡回ワークショップむすび塾」は、被災した聴覚障害者、手話通訳・要約筆記者や専門家の8人が聴覚障害者の備えと支援について話し合った内容を紹介していた。

 「被災時は音声情報が中心で情報を入手しにくい。震災では兄に助けられ避難できたが、避難所では『聞こえない』と伝えても分かってもらえなかった」、「中途失聴者は手話を覚えることが難しく、情報入手には要約筆記が欠かせない」など、聴覚障害者の声を改めて読み、私自身知らなかったことがいかに多いか、気付かされた。

 あまり知られていない災害弱者に光を当てたことは、一貫して震災報道に取り組んできた本紙の姿勢が現れており、読み応えがあった。17日の社説「聴覚障害者の備え」には「周囲の人たちに耳が聞こえないこと、会話の方法を知ってもらうことが備えの第一歩」とある。併せて読み、聴覚障害者を再び災害弱者にしてはならないと強く感じた。同時に「むすび塾」の紙面に掲載された「災害時の聴覚障害者指さし会話シート」の活用を広く発信し、広める工夫をしてほしい。

 17、18日および20日の夕刊1面に「孤立を超えて 急増する児童虐待仙台」が3回シリーズで掲載された。親が摘発される児童虐待の事例から、「周囲から孤立した親子関係が浮かび上がる。血縁や地縁が薄れる中、若い親と子をどう支え、守ればよいのか」との視点で、事件が起きた地域、県警、学識経験者、任意団体キャプネット・みやぎ、児童相談所、仙台南署が開催した若者による会議と幅広く取材している。

 「希薄なつながり」「支援の限界」「見守る社会へ」に分け、数字から見る虐待の傾向と背景、支援の現状を紹介した上で、これからの取り組みへとつなげている。大変重い問題を丁寧に取材してきたことが伝わってきた。取材を重ねた中で、もっと伝えたいことがあるのではないか。もっと知りたい読者も多いのではないか。続編を掲載し、「見守る社会」を実現させるため、紙面が共に考える場になることを期待する。