2月の後半から、日本国内でも新型コロナウイルスの感染者数が増加し、政府の対応などを報じる紙面が続いた。事態の推移として大きく三つの出来事に注目する。

 第一は2月28日朝刊1面の安倍晋三首相による全国の小中学校、高校などの臨時休校要請である。突如、緊急措置として発表されたこの要請は教育現場に少なからぬ混乱を呼んだ。3日の朝刊社会面には、東北の企業の子どもを持つ従業員支援の内容が掲載されている。

 在宅の子どもたちへの対応は非常に難しい。ゲームセンターなどに出掛けて、感染が広まってしまう危険も心配である。しかし、在宅する子どもたちが家で新聞を見るチャンスが大きく増えたのではないかとも思われる。

 今こそ「週刊かほピョンプレス」の活躍の場ではないか。急な休校措置で、先生方も在宅で行うべき宿題を用意する時間もなかったと聞く。そこで毎日、在宅の子ども向けに、学習情報、教材、練習問題など在宅児童の支援紙面をレイアウトすれば、子どもたちにも、働く親御さんたちにも助かるし、新聞ファンを増やすチャンスとも言えるのではなかろうか。

 第二のニュースは、1日の朝刊1面「仙台で感染者 東北初」。衝撃であった。扇情的になりがちなこの手の記事で、社会面に専門家の「経路が追えない感染ではない。冷静に」というコメントも併載している点は評価できる。

 郡和子市長が記者会見で、感染者の移動ルートは「横浜市から在来線と東北新幹線に乗り、仙台市内の自宅に戻った」とだけ発表し、仙台市内の移動ルートは「調査中」ということに違和感を覚えた。7日朝刊社会面に、感染者の濃厚接触者の情報とともに「東北新幹線で仙台駅到着後、市地下鉄で最寄り駅まで行き、徒歩で帰宅」という行動歴が掲載された。感染者は「重篤ではない」と発表されていただけに、仙台市地下鉄を使用したという情報にかくも時間を要したことは、非常に遺憾に思う。当初の記者会見、その後の取材でもう一歩踏み込んでほしかった。

 最後に、マスクやトイレットぺーパーの品薄問題に触れたい。本紙は朝夕刊で何度かマスク転売問題を取り上げてきた。政府は4日に国が保有しているマスクは743万枚であることを公表した。しかし、どの新聞もこの数値が十分かどうか吟味した論評が見られない。通常の国内のマスク需要は週1億枚といわれ、単純計算で月4億枚となる。こう考えると政府保有のマスク743万枚は大きな数値のように見えるが、これを全部民間に緊急放出したとしても、1カ月の国内需要の2%以下、1日分にもならない。それほど現在のマスクの需給は逼迫(ひっぱく)しているということになる。

 6日の夕刊3面では介護従事者の労働組合による全国調査で、2割近くの介護事業所においてマスク備蓄が枯渇していると報じている。高齢者の命に関わるだけに宮城県内、仙台市内でどれほど切迫しているか、報道してほしい。