磁気治療器の預託商法を展開し、2千億円超の負債を抱え事実上倒産したジャパンライフ(東京)の問題が、混迷の度を深めている。
 預託金の返金を求める顧客の動きが強まる中、会社側は依然、事業継続の意思を変えていないからだ。同社は誠意ある姿勢を示すべきだ。
 東京地裁は今月9日、顧客側弁護士による破産申し立てを受け、財産散逸を防ぐための保全管理命令を出した。現金や不動産などの管理処分権限は、地裁が選任した保全管理人に移っている。
 ところが、地裁が当事者の意見を聞く21日の審尋で、同社の山口隆祥会長は「破産しなくていい」と述べたという。終了後の取材でも「(事業を)継続する」と語った。
 全国の顧客は高齢者を中心に6855人(昨年7月末時点)。東北では1億円以上の出資者約80人も含め約1500人が途方に暮れている。
 同社は少しでも多くの返済に応じなければならない立場だ。時間を稼いで顧客を惑わすような態度は許されない。
 昨年末に2度の不渡りを出し銀行取引停止処分となって以降も同社は「倒産していない」と強弁。1月の各地の顧客向けセミナーでは「返済は(関係者が設立した)新たな会社の売上金を充てる」などと説明している。
 仮に独自の再建案を模索しているのだとしても、本体企業の法的整理は全く別の話だ。破綻逃れの上に、顧客の引き留めを図るような姿勢では二次被害すら懸念される。
 同社の預託商法は、購入した磁気治療器を別の顧客にレンタルし、オーナーとして年6%の収入が得られるという仕組みだ。実質的には高配当と元本保証をうたった金融商品の売買に近いと言える。
 超低金利時代では到底考えられない「もうけ話」に高齢者らを引き込み、契約者は配当収入を求めて投資を重ねた構図が浮かぶ。
 各地での相談会には契約者らが殺到している。「病気の妻の治療費にと契約した。少しでも返して」「老後の蓄えを失った。誰も信用できない」。会社側は顧客本位の姿勢で責任を全うすべきだ。
 昨年末までに4回の業務停止命令を出した消費者庁は、特定商取引法違反容疑などでの告発を協議している。損害賠償を求め個別に提訴したケースも、すでに出始めた。全国組織の弁護団連絡会のネットワークを強め、最善の道を探ってほしい。
 同社には元内閣府官房長ら官僚OBが顧問に一時就任。消費者庁の元課長補佐も天下りしていた。顧問リストを見て出資をためらう高齢者が信用したケースもあったと元社員が証言している。官庁との関係をうかがわせて業績を伸ばしてきたのではないか。
 これまでも手を変え品を変え、同様の被害が繰り返されてきた。巧言に惑わされてはなるまい。自戒しなければ。