平昌冬季五輪が25日閉幕した。北朝鮮問題やロシアのドーピングなど政治的な動きも目立ったが、アスリートの熱戦が暗雲を吹き飛ばした格好だ。日本はメダル13個を獲得、1998年長野五輪の10個を上回り過去最多だった。
 今大会ではフィギュアスケート男子で羽生結弦選手(宮城・東北高出)が2014年ソチに続く連覇を達成。スピードスケート女子では500メートルで小平奈緒選手、団体追い抜きで高木菜那、美帆両選手ら、マススタートでは高木菜選手が金を獲得した。
 メダルに届かなかった選手も含め、全力を出し切った全選手の健闘をたたえたい。
 東京五輪開催決定後、政府は選手強化予算を増額した。夏季だけでなく、冬季競技にも同様に分配されたという。今回の成績に寄与した面は大きいだろう。
 ソチでメダルゼロだったスピードでは、日本スケート連盟が所属の枠を超えたナショナルチームを新設。選手は年間300日以上を共に過ごし、団体追い抜きでの見事なチームワークを生んだ。
 ただ、手放しでは喜べない事情もある。長野大会は68種目だったが、今回は102種目。過去最多のメダル数は、総数増の反映でもある。
 選手の支援にも課題が残った。大企業など実業団中心の中で、フリースタイルスキー男子モーグルの遠藤尚選手の所属は名取市の「忍建設」。実質はモーグル選手だった社長らが支えた。大会に所属なしで臨んだ選手もいた。
 日本オリンピック委員会(JOC)が企業とのマッチングを進めているとはいえ、注目が五輪前後だけに集中するような競技では、冬に限らず、トップ選手でさえ支援先や練習環境確保に苦労する現実もある。
 東京五輪後は強化予算や市民の関心も減るだろう。中長期的視点で、多様な選手支援の方策を探るべきだ。
 運営面に目を転じると、天候対策や観客輸送、入場券販売などで問題が指摘された。視察した東京五輪の組織委員会などの関係者が教訓を踏まえて、2年後の大会にどうつなげていくか問われよう。
 平昌は強風や寒さに悩まされたが、東京の「敵」は猛暑やゲリラ豪雨。熱中症対策は不可欠だ。屋外競技では夜間の開催も考えられる。局地的豪雨などで日程変更もありそうだ。競技が深夜に及ぶ場合を想定し、観客の輸送手段確保などの対応も求められる。
 韓国では、インターネット利用も含めたダフ屋行為の規制法をつくったが、それでも横行。入場券は販売されたのに、観客席には空席、という会場もあったという。
 日本ではネット転売の規制法が現在なく、国会で動きは出ているものの、法案はまだ。早急な法成立と対策が求められる。2年という時間は短く、東京開催へ関係者が詰めるべき課題は多い。