中高生の7人に1人が病的なインターネット依存-。厚生労働省研究班による2017年度の調査で、そんな実態が明らかになった。スマートフォンなどでゲームや会員制交流サイト(SNS)にはまり込み、日常生活に支障を来すネット依存の疑いがある中高生は全国で推計約93万人に上っている。
 12年度の前回調査から5年間で40万人以上も増えた。スマホやタブレット端末の急速な普及がネット依存の拡大に拍車を掛けたのだろう。
 それだけ深刻さを増していると言えるが、十分な対策が取られてきたとは言い難い。政府や関係機関は対策の早急な検討とともに、予防教育の充実に努めてほしい。
 とりわけ懸念されるのがオンラインゲームへの依存だ。11年に国内で初めてネット依存の専門外来を設置した久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)では、専門外来の受診者の9割がゲームに依存しており、受診者の7割が未成年者だという。
 ゲームへの依存は新手の病気でもある。世界保健機関(WHO)は6月、ゲームのやり過ぎによる依存症を「ゲーム障害」として新たな精神疾患に認定し、「国際疾病分類」の改訂版に加えた。
 ゲーム障害が国際的に疾患だと認められた意義は大きい。治療に取り組む医療機関が増え、研究が進むことで治療法の確立や予防策の進展が期待できる。
 当事者や家族にとっても、ゲームがやめられないのは自らの力では解決できない病気だからと自覚できる。早期発見と治療につなげたい。
 ゲームの影響は中国や韓国など世界各地で深刻化しており、子どもに限らず、大人も注意が必要だ。
 睡眠時間を削ってゲームに没頭し、勉強や仕事がそっちのけになる。昼夜が逆転し、不登校になったり、引きこもったりする。ゲームをやめさせようとする家族に暴力を振るうケースもある。
 WHOはゲーム障害について、ゲームをしたい衝動が抑えられず、日常生活よりゲームを優先し、健康を損なうなど問題が起きても続けてしまう-などの特徴を挙げる。こうした症状が12カ月続き、家族や社会、学業、仕事に重大な問題を来している場合にゲーム障害と診断できるとした。発症率はゲームをする人の2~3%とみている。
 もちろん、ゲーム自体が問題なのではない。ただ、過度の飲酒により依存症となる人がいるのと同様、ゲームのやり過ぎは病気になり得ると心得ておきたい。
 特に、心身が未発達な子どもに対しては深夜のゲームを制限するなど、スマホ利用のルールを家庭や学校で話し合うことが大切だろう。
 ネットやゲームとどう付き合ったらよいのか。知識や能力を身に付ける機会ももっと増やしたい。