再生可能エネルギーに関する課題を検討する経済産業省の有識者研究会が、固定価格買い取り制度の見直しを求める意見を出している。制度の導入当初から懸念されていた問題が顕在化しており、早急な着手が必要だろう。
 最も大きな課題は、利用者の負担が急激に増大したことへの対処である。買い取り制度維持のためのコストは「再生エネルギー賦課金」の名目で、各家庭や企業などが使っている電気料金に上乗せされている。
 当初、標準家庭(電気料金が月に約7000円)で計算すると、賦課金は月額66円にすぎなかった。しかし、年々負担は上昇し、現在は当時の13倍となる870円。電気料金の1割ほどを占めるようになっている。
 再生エネルギーの普及を図るための賦課金だが、これほど高騰しては家計を圧迫する弊害の方がむしろ大きい。こうした制度に頼らない新たな仕組みの検討のほか、賦課金の引き下げにつながる現行制度の改革が急がれよう。
 固定価格買い取り制度は事業者が再生エネルギーで発電した電力を決まった価格で長期間、電力会社に買い取らせる仕組みである。東日本大震災後の2012年、原子力発電への依存を減らす目的で太陽光や風力などを対象に導入された。
 内容の是非を論じるより前に、極めて政治的な駆け引きの末にこの制度はスタートした。当時の菅直人首相が自らの辞任の条件としてこの法案の成立を持ち出し、導入が決まった経緯がある。
 当時、経団連や経済同友会など主として経済界から異論が強く主張された。「価格を長期にわたって保証するのは発電業者に対して甘く、競争原理も働かない」など、現在につながる批判だった。
 それにもかかわらず、諸外国と比べても極めて破格と言える高価格での買い取りを国は決めた。その結果、異業種からの参入が殺到し、各地に大規模太陽光発電所(メガソーラー)が乱立する事態を招いた。自然破壊の問題を引き起こしている現状は周知の通りである。
 固定価格買い取り制度は再生エネ普及のため外国も導入している一般的な仕組みではある。ただ、12年当時であっても、例えばドイツでは価格の段階的な引き下げや将来的な廃止が議論されていた。買い取り期間の短縮に乗り出している国もある。
 日本でも買い取り価格は毎年下げられてはいる。しかし参入する発電事業者が増えるにつれ、家庭や産業界にとっては上昇する賦課金が重い負担となってきている。
 技術革新や機材価格低下など、コスト低減効果を買い取り価格に即座に反映させる仕組みに変える必要がある。市場原理にのっとった制度に移行し、国民負担をできるだけ抑制してもらいたい。