自民、公明両党が14日、2019年度の与党税制大綱を決定した。今回の税制改正の焦点の一つとなっていた地方法人2税(法人事業税、法人住民税)の格差是正策が大綱に盛り込まれた点は、一定の評価ができる。
 格差是正策は、来年10月の消費税率の10%への増税に合わせて、法人事業税の3割程度をいったん国に集め、人口に応じて再配分する方法を採る。これによって東京都や大阪府、愛知県は減収となる。
 法人2税の税収の地域的な偏在は、経済の構造的な問題による。企業数が多く、大企業の本社が多く置かれる東京は、税収が増える。近時の景気回復と相まって税収の一極集中と言っていい状況だ。大阪府や愛知県についても同様のことが言える。
 大都市圏がこうした税の増収によって財政的に非常に潤っている一方、地方では人口減少と高齢化が進み、思うような恩恵を受けていない。人口1人当たりの法人2税の税収は、最多の東京都と最少の奈良県とでは約6倍もの開きがある。
 税収の偏在を平準化し、地域間の格差を縮小する措置の導入は当然だ。是正策の導入で都の税収は約4200億円の減収になるとみられる。大阪府と愛知県に対しては地方交付税を増額し、減少幅を数十億円程度とする。
 東北地方をはじめとする地方の多くは、首都に対して人材の供給地であるという地位に長らく甘んじてきた。
 例えば、家計をやりくりして育てた子供が東京で就職すれば、経済的には地元には何らのメリットもない。仮にその子が自分を育んだ故郷にせめて幾分でも貢献したいと考えても、現状ではふるさと納税くらいしか手がない。
 大都市に集中する税収の一部を地方に還元するのは、有為な人材を数多く供給してきた地方側の、当然と言えば当然の権利ではないか。
 今回の格差是正に対し、大幅な減収となる東京都は「都民の税金が奪われる」として強く反発。今年7月の全国知事会議では、小池百合子都知事らの反対で是正の提言は両論併記の形となった。
 日本経済をけん引する首都に集中して投資すべきだとの都の主張も一定の理解はできようが、しかし、例えば都が保有する資産は35兆円近くに上る。都内の土地などの不動産は、都が保有するより民間に売却した方が有効な活用が期待できるはずだ。
 今回の是正策により税収の偏在が十分に解消するかどうか、実施後には丁寧な検証が要る。消費税の地方税化などの是非を含め、地方税全体の仕組みをどう設計し直すべきかの根本的な議論もまた不可欠だろう。
 自治体間の税収の取り合いは生産的でないという指摘もある。むろん、地方経済の脆弱(ぜいじゃく)化を食い止める努力がなお重要なのは言うまでもない。