グーグルやアップルなど「プラットフォーマー」と呼ばれる国際的な巨大IT企業の規制強化に向け、公正取引委員会や関係省庁の動きが活発化している。
 圧倒的シェアを背景にした交渉力によって、国内市場での不公正な取引が指摘されている。プライバシー侵害の恐れもあり、実態を見極め明確な規律を構築すべきだ。
 対象は、頭文字から「GAFA」と言われるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コムの米IT4社を念頭に置く。いずれも情報技術やネット通販、会員制交流サイト(SNS)の拡大と共に急成長した。利用者のデータを活用したサービス提供で社会にあまねく浸透。膨大な利益を上げている。
 それぞれのビジネスモデルは革新的だが、問題は寡占化が進み、個人情報や市場そのものを囲い込む形になっている点だ。正当な競争が阻害されたり、経営力の違いから関係企業が不利な取引を迫られたりする恐れがある。
 プラットフォーマーの取引企業2千社を対象にした経済産業省の調査では、8割超が「新規顧客の機会獲得」を利点に挙げた半面、9割は「個別交渉が困難」と回答。「規約などの一方的変更で不利益を受けた」も8割を超えた。
 経営規模の幅を利かせて、国内の中小企業に弊害を生じさせているのだとしたら、規制強化は急がねばならない。
 日本のIT企業は電気通信事業法上の制約があり、国の規制を受けながら運営しているが、適用は国内事業者に実質的に限られている。巨大IT企業の取引は秘密保持契約でガードされ、事業内容は外からはうかがい知れない。開示の義務付けは必要だろう。
 公取委は1月から本格的な調査に入る。場合によっては独占禁止法に基づく強制調査権も行使して実態を把握し、法整備につなげる。
 さらに経産、総務両省は規制強化に向けた基本原則をまとめ、取引を監視する専門組織の必要性に踏み込んだ。
 政策立案や法執行を踏まえ法律、経済、システム工学など高い知見を総動員して対応する。プラットフォーマーの公正性確保に向け、政府の本気度をうかがわせる。
 フェイスブックは今年、8700万人分の個人情報が不正利用された。グーグルも流出の恐れが発覚したが、半年間公表しなかった。情報管理には万全を期すべきだ。
 欧州連合(EU)は管理の徹底を求める「一般データ保護規則」を施行。巨大IT企業に多額の制裁金を科す構えだ。英国は情報サービスの売り上げに税金をかける「デジタル課税」も検討している。
 もちろん政府機関の過度な関与は民間事業者の自由度をそぐことになる。独善性の排除、経営の透明化をまず基本に据えたい。国際社会と協調し、実効性のある規制の在り方を探ってほしい。