電力会社の電気料金の算定方法は一体、どうなっているのだろうか。関西電力と九州電力が料金改定を機に、新たな使用済み核燃料再処理のコストを電気料金に上乗せしたことが明らかになった。

 原発で燃焼させた後のウラン燃料から、プルトニウムなどを取り出すのが再処理。青森県六ケ所村にある日本原燃の再処理工場が国内で唯一の施設になる。

 六ケ所工場のコストを電力各社が負担するのは当然だが、関電などが盛り込んだのは「第2再処理工場」も含む。具体的には何も決まっていないのに上乗せするのは、消費者無視も甚だしい。

 再処理工場を新たに建設するかどうかは、原子力発電の将来に重大な影響を及ぼす。何の議論もなしで、なし崩しに再処理を続けようとしているなら、原子力政策への信頼はさらに失墜するだけだ。

 再処理コストについて、関電は六ケ所工場と合わせ年間約600億円を見込んでいるという。九電は約500億円。六ケ所の分と比べると、いずれもかなり増えた。「制度上、料金原価に含めることになっている」という言い分で、他の電力会社が追随する可能性もあるだろう。

 1社で数百億円もの負担にになるのは、巨額のコストが必要になるからだ。六ケ所工場の事業費は16兆円に達し、第2再処理工場は12兆円近くと見積もられている。

 合わせて二十数兆円もの巨大なコストを電気料金に転嫁するのであれば、妥当性についてまず十分に議論し、結果を丁寧に消費者に説明するのが当たり前だろう。何も知らせないまま電気料金に含めるのは身勝手すぎるし、料金制度が土台からおかしい。

 国や電力各社は核燃料サイクル政策に従って、原発の使用済み核燃料を全て再処理するいう姿勢をいまだに崩さないが、その硬直性がそもそも問題だ。

 1993年に着工した六ケ所工場は、四半世紀が過ぎた今になっても未完成。この間に膨大な費用をつぎ込みながら、取り出したプルトニウムの使い道がなくなっている。そもそも計画がずさんだったとしか思えない。

 第2再処理工場は主に、ウランにプルトニウムを混ぜたMOX(混合酸化物)燃料用に想定されていた。いわゆる「プルサーマル発電」で使われる核燃料だが、六ケ所工場では再処理できない。

 そのために必要性が浮上した経緯があるが、通常の核燃料と同様、再処理すればむしろ厄介な問題を抱えかねない。使用済み核燃料をそのまま保管し続けるという選択肢も真剣に検討すべきだ。

 再処理を軸にした核燃料サイクル政策は破綻が明らかになっている。再処理からの撤退を本格的に議論することが求められているのに、知らぬ間に第2工場の費用を徴収するのはもっての外だ。