臨時国会がきょう、召集される。先の参院選でれいわ新選組から初当選した難病と重い障害のある2人が初登院する。東北からは、岩手選挙区で初当選した元パラリンピック選手で国民民主党の横沢高徳氏(47)が車いすで赤じゅうたんを踏む。

 多様な人材を迎えるためにも、国会は障害のある人が支障なく活動できるようサポートする必要がある。2016年に施行された障害者差別解消法は、自治体などに障害者への合理的な配慮を義務付けている。国会は対象ではないが、国会こそ率先して今なお多い「壁」を取り除く努力が求められよう。

 れいわ新選組の2人は、次第に全身が動かせなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」患者の船後靖彦氏(61)と、脳性まひの重度障害者の木村英子氏(54)。ともに手足を自由に動かすのが難しい障害を負う。

 国会は今回、中央玄関にスロープを用意したほか、参院本会議場の出入り口近くに2人を受け入れるための2議席を設置した。介護者が本会議場内に付き添い、採決では代わりに「押しボタン」を押すことや、正副議長選出などの記名投票の代筆を認めた。

 ただ、本格的な審議が行われる秋の臨時国会などに向けて課題も残る。

 船後氏は声が出せないため、文字盤を使ったり、歯でかむセンサーでパソコンに文字を入力したりして意思を伝えている。

 党派の議員数に応じて割り当てられる質問時間をどうするのか。障害のため議論が十分にできない国会であってはならない。対応を柔軟に検討してほしい。

 国会議員として2人が活動することになり、注目を集めた壁もある。

 両氏は、障害者総合支援法に基づく「重度訪問介護」により、生活全般の介助を受けている。だが、厚生労働省は当初、議員活動中の介助に公的補助は認めないとした。「通勤、経済活動にかかわる支援」は対象外で、歳費を受け取る議員活動は経済活動に当たる-という言い分だ。

 日常生活を支えられてきた両氏は公的補助を受けられるよう要望し、参院などが介助費を当面負担すると決まった。当然の判断だろう。

 ただ、問題は国会議員だけに限らない。就労を望みながら、介助費負担がネックとなり、働く機会を奪われている障害者もいる。就労や自立の支援とは矛盾した制度と言わざるを得ず、抜本的な改善が必要ではないか。

 国連で06年、障害者権利条約が採択されたときの合言葉がある。「私たちのことを私たち抜きで決めないで」。障害のある議員が施策を決める国会の場で、国民の代表として議論に加わる意義は極めて大きい。障害者の権利保障を当事者中心に見直す契機となるよう期待したい。