日本の食卓からサンマが遠のく恐れがある。これから本漁期(8~12月)となる沿岸でのサンマ漁は、2015年から続く不漁がさらに深刻化する見込みだ。

 7月に開かれた北太平洋漁業委員会(NPFC)では、参加する日本や中国、台湾など8カ国・地域が初めて、サンマの漁獲枠を設けることで合意した。だが、その枠は緩く、効果は不透明で、資源回復につながるかどうかには疑問符が付く。

 このままではサンマ資源の大幅な低下を招きかねない。今後は、漁獲枠のさらなる規制強化が課題となる。各国・地域が情報を共有して相互の監視体制を整えるなど、漁獲制限の実効性を高める仕組みも必要だろう。国際管理の下で、資源の保護・回復を模索しなくてはなるまい。

 サンマの資源量は楽観視できない状況にある。NPFCの科学委員会は今年4月、北太平洋のサンマ資源量について、2000年代前半の400万~500万トンが、17年は1980年以降で最低の130万トンに減ったとの評価をまとめた。

 NPFCの年次会合では、日本が昨年まで2年連続で漁獲枠導入を提案したが、中国が「資源量を示すデータがない」として反発し、実現しなかった。今年は、資源減少を科学的に示された中国が最後に軟化し、提案をしぶしぶ受け入れた経緯がある。

 今回合意した漁獲枠は年55.6万トンで、2020年に導入される。だが、この枠は18年の8カ国・地域の漁獲量約44万トンを大幅に上回る。乱獲には一定の歯止めがかかると期待されるが、縛りの緩さは否めない。漁獲枠の圧縮とともに、来年の会合で話し合う予定の国・地域別の漁獲枠導入も不可欠だろう。

 サンマは、各国が漁をすることができる太平洋の公海を北上し、日本近海の排他的経済水域(EEZ)に回遊してくる。

 日本のサンマ漁獲量はかつて年20万~30万トンで安定していたが、15年からは10万トン前後に急減し、特に不漁だった17年は8.4トンに落ち込んだ。その背景には、海洋環境の変化のほか、中国や台湾が近年、北太平洋の公海で大型船により漁獲を急増させている影響が大きいとされる。

 水産庁は「先取り」対策として、昨年まで8~12月としていた漁を今年からは公海に限って通年で認めたが、成果は乏しい。

 日本沿岸に回遊してくるサンマの量も増えそうにない。水産研究・教育機構の東北区水産研究所によると、今年の漁獲量は「極めて低調に推移する」という。サイズも小さくなる公算が大きい。

 大衆魚として慕われたサンマが絶滅の危機にひんしてからでは遅い。サイズが小さい「0歳魚」の多い海域は禁漁期間を設けるなど資源保護策を急ぐ必要がある。