女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市)の廃炉スケジュールが固まった。東北電力は7月末、国の原子力規制委員会に「廃止措置計画」を申請し、認可後に地元の了解を得て解体工事に取りかかることになる。

 廃炉作業は4段階に分けられ、計34年かかると見込まれている。もちろん東北電力にとって初めての廃炉。放射性物質が飛散して不慮の被ばくをもたらすようなことがないよう、極めて慎重に工事を進める必要がある。

 解体に加え、放射性廃棄物の埋設という困難な問題にも取り組まなければならない。核燃料の搬出から最終処分まで、全行程にわたってそれぞれの地元に説明を尽くし、了解を得ながら進める姿勢が何よりも求められる。

 女川1号機は電気出力52万4千キロワットのBWR(沸騰水型原子炉)。その後に建設された2、3号機(出力はいずれも82万5千キロワット)より規模は小さい。東北電力初の原発として1984年6月に営業運転を始めており、既に35年が経過している。

 廃炉作業の第1段階は「核燃料の搬出」。使用済みと未使用を合わせ1023体の核燃料集合体が対象になるという。同時に放射性物質による汚染状況も調べる。第1段階の終了までは8年と見込まれている。

 次の7年は第2段階の「原子炉周辺の解体撤去」。具体的にはタービンなどが取り外される。第3段階が核心部分の「原子炉解体撤去」で、その期間は9年。原子炉圧力容器などの撤去後、10年かけて第4段階の「建屋撤去」に取り組む。

 ただ、原発の廃炉は解体だけでは済まない。発生した放射性廃棄物の処分という、やっかいな問題を解決しなければならない。

 東北電力の見通しでは、廃炉によって6140トンの「低レベル放射性廃棄物」が発生するという。全て埋設される予定だが、放射能の強さで3種類に分けられ、それぞれ深さが異なる。最も放射能が強い廃棄物は、地下70メートル程度になるとみられる。

 埋設地の選定は相当難航することが予想される。「低レベル」とはいえ、原発の中核部分である圧力容器や格納容器まで解体して埋めることになるのだから、受け入れる自治体が簡単に現れるとは到底思えない。

 仮に解体した後になっても埋設地が決まらなければ、どこかに「保管」し続けるしかなくなる。解体した原子炉の埋設はもちろん、一時的にどこかに置いておくことも容易ではない。

 原発の廃炉は、東北電力に限らず電力各社の大きな課題になっている。埋設と保管のいずれの方法にせよ、地元の了解を得なければ実現できないが、かなり難しい作業になることを今から覚悟しておかなければならない。