新型コロナウイルスの感染拡大によるイベント自粛や会場のキャンセル、個人消費の落ち込みが、中小・零細企業の経営を圧迫し始めている。

 政府は緊急対策第2弾を決定し、中小・零細を支援する特別貸付制度の新設や、従業員を休ませて雇用を維持する企業への助成金拡充などを打ち出した。

 しかし、見込んでいた売り上げを失い、金回りの悪くなった事業者が一気に行き詰まることも懸念される。状況の長期化によって、解雇や倒産など最悪のケースに至らないようにする工夫が必要だ。

 緊急対策の実施に当たっては個々の実態をつかみ、きめ細かく対応するとともに、もう一段の救済措置を矢継ぎ早に講じてほしい。

 資金繰り対策として、政府は1兆6000億円の金融支援を行う。売上高が大きく減るなどした個人事業主に対し、利子分を国が補填(ほてん)して実質無利子・無担保で借りられる特別融資制度をつくる。

 経営プランを立てられる企業はいいが、痛手の深い業者は無利子でも借り入れに踏み切れないところもあろう。政府の自粛要請の影響をもろに受けた業界などには、手厚い補償を考えてもいい。

 旅館業などでは、従業員を自宅で待機させるケースも出てきた。今回、雇用主に休業手当などを補助する雇用調整助成金の枠を広げた。

 東日本大震災の時に有効とされた制度であり、解雇を避け、雇用を維持できる。利点を十分生かせるよう柔軟な運用に努めてもらいたい。

 政府のコロナ対応で批判を浴びたのは、小学校、幼稚園などの一斉休校に伴って子どもの面倒を見る両親への配慮を欠いたことだった。

 緊急対策では、会社員の保護者が仕事を休んだ際の賃金を日額8330円を上限にして、雇用主の会社に助成する制度を設けた。

 フリーランスと自営業の場合、日額4100円を支給し、休みを取りやすい仕組みにした。給食を納める業者に対しても、何らかの形で損失を補う手だてを検討する。

 臨時休校対策に2400億円を充てるとはいえ、遅きに失した感は否めない。場当たりの対応が後々まで響いた点を反省し、今後に生かす必要があろう。

 一斉休校に比べて経済支援は注目度が低く、「手薄ではないか」との声も聞かれる。観光、外食などサービス業と小売業は非正規社員の比率が高い。弱い立場の人への目配りを望みたい。

 政府は4月に大型経済対策をまとめるという。時を移さず進めることに異論はないが、国会で審議中の2020年度予算案の規模は総額100兆円を超えている。

 国の財政への圧迫を避けるため、優先度の低い大型事業は先送りし、弱者救済を柱とするコロナ対策を最優先にしてもらいたい。