石巻市大川小津波訴訟の控訴審判決を巡る市の上告判断は8日、市議会臨時会の採決に焦点が移る。市は上告提起に関する議案を提出するが、賛否の行方は予断を許さない状況。市議選(13日告示、20日投開票)を目前に控え、議員の発言や判断が注目される。宮城県議会は9日に全員協議会を開く見通しで、臨時会招集の可能性を探る。

 「非常に重大な案件だ。各議員はしっかり判断してほしい」。亀山紘市長から臨時会の申し入れを受けた丹野清議長は7日、報道各社の取材にこう語った。
 市議会はニュー石巻(13人)、石巻復興の会(6人)、創生会(5人)、公明会(3人)、共産党市議団(2人)の5会派で構成。議長を除く29人で採決され、河北新報社の取材では7日現在、少なくとも16人が態度を固めたとみられる。
 賛成、反対は各8人で、残る議員は賛否が不明か「検討中」だった。控訴の際には市の提案に賛成した議員が「最高裁で勝つのは不可能に近い」と頭を悩ますケースもある。
 会派で賛否を決めたのは公明会のみ。宮城県議団と足並みをそろえて反対する方針。共産党は県議団が7日、県に上告を断念するよう申し入れたが、市議団は「上告理由を聞いて判断する」として独自に結論を出す。
 ニュー石巻と石巻復興の会、創生会は個々の判断に委ねる。地裁判決と異なる判断基準を示した控訴審判決を受け、反対議員が態度を変える動きが出ている。
 採決方法も注目される。控訴関連議案は起立採決で行われたが、市議選を前に無記名投票を求める議員もいる。「議員が責任を持って判断すべきだ」との意見があり、結論は流動的だ。
 県議会は7日、県から全員協議会開催の申し入れがあったことを受け、会派会長懇話会を開き、9日に全協を開く方針で一致した。一部会派は臨時会の招集を要望。中島源陽議長らが8日、村井嘉浩知事に臨時会招集が可能かどうかの検討を求める。
 懇話会は臨時会を巡る議論を中心に異例の約1時間半に及んだ。みやぎ県民の声の藤原範典会長は「各議員が見識に従って賛否を明確にすべきだ」と主張。上告期限は10日で「日程的に難しい」との意見も出た。
 公明党県議団の庄子賢一会長は「本会議で採決し、議員個々の考え方を明らかにすることが基本だが、時間的に可能かどうか」と漏らした。
 市の上告方針には各会派の意見が交錯した。最大会派の自民党・県民会議の菊地恵一会長は「石巻市の意向を最大限尊重する。市議会の判断を見守りたい」と話した。共産党県議団の遠藤いく子団長は「控訴審判決は事前防災を中心とした重要な指摘がある。子どもの命を守る学校防災に転換してほしい」と訴えた。