石巻市大川小津波訴訟の控訴審判決を巡り、上告を決めた亀山紘市長は7日、「あの大災害を予見できただろうか。(結論は)納得できない」と張り詰めた表情で語った。判決から11日。同じ被告の立場の村井嘉浩宮城県知事は「葛藤があったと思う」と亀山市長の心中を推し量った。
 亀山市長は7日、市役所で待ち構えた報道機関に「堤防の損壊や津波が来るということを津波警報が出た午後2時52分に予見できたという判決は納得いかない」と不満をあらわにした。
 一方、学校の事前防災で法的責任が認定されたことには「74人の児童が犠牲になったことを重く受け止め、(学校は)教訓として(事前防災に)取り組むことになる。その意味では評価している」と述べた。
 2016年10月の控訴方針は仙台地裁判決から2日後に表明。今回、10日かかったことについて「一審と二審で判決内容が全く違う。一から判決文を読み、手にできた引用文献は全て読んだ」と説明した。
 今後の焦点は8日招集の市議会臨時会の採決に移る。亀山市長は「大変だと思うが議員の責任を果たしてもらう」と語り、「(採決の見通しは)非常に厳しい」と緊張感を漂わせた。
 市の上告方針を受け、村井知事は7日の定例記者会見で「学校設置者の石巻市の意向を尊重する」と述べた。県としての判断は「市議会の決定を待ち、対応を決める」と語った。
 控訴は専決処分で決定し、県議会から批判された。今回は議員の意見を踏まえて議会対応を探る考えだ。
 判決を受け入れるにせよ上告するにせよ、自治体トップは一定の批判を免れない。「遺族の気持ちも理解はできる。市民を守り、行政を預かる立場として葛藤があったと思う」と亀山市長の立場をおもんぱかった。