石巻市大川小津波訴訟を巡る宮城県の上告方針について、県議会は9日、全員協議会を開いた。質疑に立った各会派の議員8人からは、控訴審判決で問われた学校の事前防災に対する県の認識をただす指摘が相次いだ。
 「当たり前のことができていれば児童は助かった可能性が高い。事前防災に過失がないというのは極めて難しい」。上告反対の立場を取ってきた公明党県議団の遠藤伸幸議員は悔しさをにじませながら、県の方針を批判した。
 共産党県議団の遠藤いく子議員は、想定されていた宮城県沖地震による津波被害の防災対応に不備があったと指摘。「事前防災に不備がないという県の立場は(事故を防ぐ)取り組みにブレーキをかける」と懸念を示した。
 村井知事は不備を認めるかと問われ「残念ながら、認められません」と断言した。続けて「震災の被害の大きさが分かっていれば、全ての命は救えた。当時の科学的知見からすればやむを得なかった」と答えたが、後に「誤解を与える発言だった」と訂正した。
 「市や県の教育委員会が現場に課題を与えながら、指導せずに放置した」(無所属の会の菅間進議員)などと指摘された学校の危機管理マニュアルに関して、高橋仁教育長は「どこまで整備すればよいか十分に配慮されるべきだった。痛恨の極みだ」と述べた。
 村井知事が控訴時に続いて専決処分の方針を示したことについて、旧民進系会派のみやぎ県民の声の坂下賢議員は「二審も専決では議会軽視にはならないか」と疑問を呈した。
 亀山紘市長が上告判断した経緯に関して「知事や教育長の助言があったのか」とも質問。村井知事は「一切ない。ただ全国に影響する裁判で石巻市だけのものではないと言った」と答弁し、「急がず慎重に考えてほしいという意味だった」と後に補足した。
 自民党・県民会議の相沢光哉議員は、児童遺族が提訴に至った要因に、第三者による事故検証委員会の報告内容を挙げ、「関係者の対応を追及しない委員会の在り方は遺族にとって不満だったと推測される」と話した。