大川小津波事故訴訟の控訴審で、石巻市と宮城県は10日、仙台高裁判決を不服として上告状と上告受理申立書を高裁に提出した。最高裁の判決や決定は実質的に法的拘束性を帯びる「判例」となるため、今後の同種訴訟で判断基準となる。
 上告審の流れは図の通り。(1)憲法違反(2)重大な訴訟手続き違反(3)判例違反や法令解釈(経験則違反を含む)-のみが審理対象で、市・県の上告は判例違反と法令解釈を理由とする見通し。控訴審までの事実認定は審理対象外で、原則的に踏襲される。
 上告後は50日以内に理由書を高裁に提出し、受理されれば最高裁が書面審理する。高裁が理由書の要件を満たさないと判断し、不受理とすれば、上告はその時点で却下される。
 最高裁での審理の結果、高裁判決が支持されたり、事実認定に関する主張にとどまるとみなされたりすれば棄却決定され、高裁判決が確定する。棄却決定で最高裁が理由を詳述することもある。
 最高裁が書面審理後に口頭弁論を開いた場合、高裁判決を見直す公算が大きい。通常は判決を破棄して審理を高裁に差し戻すが、最高裁が自ら実質的な判断を示す「自判」をするケースもある。