女川町女川浜で、かつて水産加工会社を経営していた「三好屋」の松川浩子さん(59)が企画した「女川バスツアー~みんなで女川さ行くべ!」が18、19の両日、同町であった。東京都豊島区で日本料理「旬の魚と宮城の地酒 三好屋」を営む松川さんが「古里女川のために役に立てたら…」と常連客と訪れた。大半が女川町は初めてで、新鮮な海の幸や恵まれた自然環境に感激の様子。温かい人情にも触れ、女川の魅力を満喫した。

 アワビやカキなどを扱っていた三好屋は、東日本大震災で社員6人が犠牲になるなど壊滅的な被害を受けた。震災後、女川や仙台で縮小営業を続けていたが、実母麗子さん(81)、長男怜央さん(25)と東京に移住。2016年9月に日本料理店を開業した。

 「遠く離れても女川のことは忘れたことはない」と語る松川さん。接客は女川弁で通し、店内には女川関連の商品やメニューも女川産と記すなど女川のPRに努めている。

 松川さんの飾らない人柄に加え、都会では味わえない旬の魚をはじめとする海産物は好評で、人気店になっている。

 こうした中、松川さんは「女川のことをもっと知ってもらいたい」とバスツアーを検討。常連客の「行ってみたい」という声に後押しされて企画したところ、40人の定員を上回る45人が参加を申し込んだ。

 18日早朝に東京を出発した一行は、午後に女川に到着。語り部の案内で町内を見学したり、津波の映像を見たりして、被災状況を確認。中には涙を流す参加者もいた。

 この日は、怜央さんが描いた絵はがきの売上金10万円余りを町に寄付した。

 19日は、まちなか交流館でみなとまちセラミカ工房の阿部鳴美代表ら6人のスタッフの指導を受け、スペインタイルの絵付けを体験したほか、観光も楽しんだ。

 「女川魂だっちゃ!」のオレンジのTシャツを着込み、タイルの絵付けに挑戦した豊島区の会社員冨永千束さん(52)は「現地に来ないと分からないことも多い。自分の目で見て被害の大きさに圧倒された」と話した。

 町内の顔見知りから再会を喜ぶ声を掛けられた松川さんは「皆さんに喜んでもらえて本当に良かった。今後も続けていきたい」と笑顔を見せていた。