<古民家、のんびり空気感>

 高台にある築約100年の木造の古民家。窓から穏やかな太平洋が望める。重厚なはり、太い柱、趣のある欄間に囲まれた室内には丸いちゃぶ台が。ゆっくり、静かに、時間が流れる。

 石巻市蛤浜の古民家カフェ「Cafeはまぐり堂」は、オーナーの亀山貴一さん(37)が東日本大震災で被災を免れた自宅を改装し、2013年に開店した。木造のぬくもりに満ちた店内では、旬の野菜や新鮮な魚介を使った「浜の昼ごはん」とスイーツが味わえる。

 来店する客は震災後に他の土地へ移った住民もいれば、「カフェ女子」もいる。癒やしを求めてだろうか。県外から訪れる客も多い。神奈川県から数回訪れているという女性(44)は「のんびりとした空気感がお気に入り」と笑顔を見せた。

 カフェの眼下にある蛤浜漁港は今、かさ上げ工事が進む。活気に満ちた浜、多くの家族が出入りしたであろう大きな屋敷。過去の浜の暮らしを想像しながら、復興の道を歩む蛤浜の今と未来にゆっくりと思いを巡らす。