石巻市の社会人ラグビーチーム「石巻体協ライノスRFC」に所属する相沢一志選手(25)=東松島市矢本=が、聴覚障害者による7人制ラグビー(デフラグビー)の日本選抜選手として、7月30日からの香港遠征に参加する。初選出の相沢選手は「国際経験を積み、成長したい」と意欲を燃やしている。

 今回の遠征では香港のチームと親善試合を行うほか、タックルやスクラムのないタッチラグビーの大会「国際タッチチャンピオンシップ」でエキシビションマッチを戦う。

 日本選抜は9人で、東北からは唯一の選出。172センチ、83キロの相沢選手は主にバックスとして、走力やパススキルを攻守に生かす。

 デフラグビーのルールは一般的なラグビーと同じだが、仲間と手話でコミュニケーションを取りプレーする。技術はもちろん、より広い視野が求められる。

 相沢選手は、小学校入学前に突発性難聴で両耳がほとんど聞こえなくなった。以来、補聴器を付けて日常生活を送る。

 ラグビーを始めたのは、宮城水産高1年の夏。小学生から打ち込んでいた野球をやめたタイミングで、ラグビー部の顧問に誘われたのがきっかけだった。「ボールを持ち相手を抜いていくのが楽しかった」と相沢選手。卒業後は女川町の電気工事会社に就職し、趣味で競技を続けてきた。

 デフラグビーに出合ったのは、2017年ごろ。フェイスブックで存在を知り、18年2月に今回の遠征を統括する日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟の練習会に初参加した。

 同4月にオーストラリアで開かれた世界大会で日本は4位になり、日の丸を付けてプレーしたいという思いが強まった。首都圏での練習会や合宿に通い、手話の習得にも励むなど努力を重ねてきた。

 相沢選手は「家族や会社の理解のおかげで続けてこられた。自分が頑張ることで障害者でもプレーできることや、ラグビーの魅力を知ってもらうきっかけになればうれしい」と力を込めた。