第25回参院選は4日公示され、21日の投開票に向け選挙戦に入った。改選数が2から1に減った宮城選挙区は届け出順に、政治団体「NHKから国民を守る党」新人の三宅紀昭氏(57)、自民党現職の愛知治郎氏(50)=公明推薦=、野党統一候補で立憲民主党新人の石垣のり子氏(44)=社民推薦=の3人が立候補した。

 東日本大震災からの復興の針路が問われるとともに、憲法改正の是非、老後資金2000万円問題に端を発した年金不安や10月の消費税増税などを巡り、論戦が交わされる。

 3日現在の県内の有権者数は195万1898人。石巻地方2市1町は16万3352人。

◇参院選宮城選挙区候補者(1-3)

 三宅 紀昭 57 元会社員   諸新
 愛知 治郎 50 前党県会長  自現(3)(公推)

 石垣のり子 44 アナウンサー 立新(社推)

 4選を目指す愛知氏は、仙台市青葉区の中心部で第一声を上げた。「実現力、実行力のある政治を進める。成し遂げなければいけないのは完全復興だ」と支持を訴えた。消費税率10%への引き上げに触れ「年金の重要な財源は消費税だ。無責任な政策に耳を傾けてはならない」と増税反対の野党をけん制した。

 石垣氏は、宮城野区のJR仙台駅東口近くで第一声。安倍政権への対決姿勢を鮮明にして「宮城から時代を変える流れをつくる。野党が協力して戦う覚悟だ」と強調した。原発再稼働や憲法改正に関しては「原発が立地する県で、なぜ住民の声を聞かないのか。憲法9条改正も何としてでも阻止する」と力を込めた。


<候補者に注文、街の声>

 東日本大震災から8年が過ぎた石巻地方では、有権者が10月の消費税増税を冷静に受け止め、社会保障の充実を望む。子育て支援や産業振興への関心も高く、施策の実現に期待する。一方、憲法改正への反対や老後資金2000万円問題に端を発した年金制度への不安の声も上がる。

 「消費税増税は賛成だが、社会保障充実の確実な政策があればこそだ」と東松島市牛網の主婦石森さと子さん(55)。子育て支援や農業政策の必要性にも言及し「若い世代が安心して子育てできる環境整備が急務であり、企業内保育の拡充策も必要だ。農業の後継者不足を打開する上で生産者の所得向上を促す支援も望む」と強調した。

 被災企業の多くはいまだに震災前の水準に販路や業績が回復しておらず、地域経済を支える産業の再生は喫緊の課題だ。

 震災で被災し加工場を再建した女川町宮ケ崎の水産加工業木村元一さん(68)は「震災後、魚が取れないなど厳しさが増す水産業界の振興、発展や、古里女川町のために力を尽くしてくれる候補者に一票を投じたい。公約をチェックし見極めたい」と述べた。

 高齢被災者の声は切実だ。

 石巻市蛇田新西前沼の無職早坂利喜雄さん(79)は「投票には行こうと思うが、政治に期待はしていない。年金生活は楽ではない。消費税が上がれば困る」と嘆く。「復興公営住宅で一人暮らしをしているが、入居者同士の交流はほとんどない。古里の雄勝地区の復興も気掛かりだ。お店ができても人が集まるとは思いにくい」と課題を口にした。

 若者も参院選を注視する。

 石巻市に住む石巻専修大4年の男子学生(21)は「消費税増税は仕方ないと受け止めているが、憲法改正は反対だ」と明確な意思を示す。仙台市青葉区から通学する同大2年の女子学生(20)は「将来、年金がきちんと支給されるのかが心配。共働き世代が増えており、子育てしやすい施策をつくってほしい」と注文を付けた。