石巻市千石町の石巻グランドホテルで6日に開かれた新年賀詞交歓会(石巻市、石巻商工会議所主催)。石巻地方の経済、行政関係者らが集い、企業トップらが2020年の地域経済を展望した。7月開幕の東京五輪がもたらす経済効果への期待が聞かれた一方、東日本大震災の復興需要の収束や、不漁による水産業への影響を懸念する声も相次いだ。

 五輪開催期間は訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加が期待される。石巻観光協会の阿部勝浩常務は「石巻にも呼び込めるよう、五輪と絡めたイベントを企画したい」と張り切る。

 大型客船の寄港の増加などで、官民が連携したインバウンドの受け入れ態勢構築は徐々に進んでおり、「専用のホームページを充実させるなど、欧米、豪州、アジアへの情報発信を強化する」と話した。

 石巻料理店組合の組合長を務める大もりや(石巻市穀町)の大森信治郎社長は「地方への波及効果もある程度、期待できる」と語る。一方で、「飲食業界はムードに左右される。五輪後の心理的な落ち込みは不安だ。震災10年目に向けても弾みをつける仕掛けが必要だ」と指摘した。

 水産業界は昨年、サンマやコウナゴなどの不漁に苦しんだ。石巻魚市場は今年、水揚げ12万トン、180億円を目標に掲げた。前年を2万トン、15億円上回る。佐々木茂樹社長は「北海道の漁業者に直接出向くなどして漁船を誘致し、魚の安定供給に努める。忙しい1年にしたい」と意気込む。

 山徳平塚水産(同市魚町2丁目)の平塚隆一郎社長は「昨年は原料の確保に苦しんだ」とこぼす。同業者と共同で取り組む「石巻金華茶漬けシリーズ」が好評で、「今年も地元料理店などとチームを組んで商品開発をする。業界がまとまることが必要だ」と連携を重視する。

 木の屋ホールディングス(同市魚町1丁目)の木村長努社長も「水産資源に不安はあるが、業界が一体となって商品販売を強化したい」と強調した。

 新年度は県や市の復興期間が最終年度となる。県建設業協会石巻支部長を務める若生工業(同市清水町2丁目)の若生保彦社長は「復興需要は収束に向かい、関連事業は少しずつ減っている」と危惧。「(地域高規格道路の)石巻新庄道路の早期着工などを訴えていく。市や商議所と組み、建設の機運を高めたい」と語った。

 日本製紙石巻工場は今年、創業80周年を迎える。安永敦美工場長は「石巻工場が活力を持つことが、地域全体の活力につながる。経済、雇用面などで地域に貢献していきたい」と力を込めた。