<豊かな自然継承したい>

 石巻市南浜地区、本年度末の開園を目指し工事が進む石巻南浜津波復興祈念公園。その一角、公園に設ける「復興の森」に植樹するクロマツやヤマツツジなどの苗木を育てるビニールハウスが並ぶ。「こころの森」の育苗ハウスだ。

 植樹は10万本以上。全て三陸地域に自生する樹木から採取した種から育て、開園までには4万本の植樹を目指し、スタッフが笑顔で作業を進めている。

 東日本大震災で甚大な被害を受けた南浜地区。代表理事の古藤野靖さん(60)の実家兼店舗も全壊した。何も無くなった古里が復興公園になると知り、その再生に関わりたいという思いが、未来へと引き継がれる森づくりという事業と結びついた。

 牧山や日和山でモミジ、コナラ、南浜でハマナスなど40種以上の種を採集、育てる。この地が育んだ植物。「自然との共生というが、主(あるじ)は自然。人は生かされている存在ということを忘れてはいけない」と古藤野さん。

 森は長い時を刻む場所。今を生きる子どもたちに自然のかけがいのなさを知ってもらう。それを未来の子孫が受け継ぐ。子どもたちが森に集い、自然と対話する-古藤野さんたちスタッフが描く「復興の森」だ。

 NPO法人として毎年、多くのボランティアの力を借り、9月には植樹祭も開催してきた。追悼と鎮魂、自然災害の教訓を携え、一緒に未来へ向かう「みんなの森」。コロナ収束後、再び多くの人が植樹作業に加わる姿を苗木たちは待っている。

■法人概要
 2013年、市民有志の団体として発足。15年8月に法人化。常時、7人ほどが活動している。18年、国土交通省「手づくり郷土(ふるさと)賞」(一般部門)に選出。事務所は石巻市築山1丁目。0225(23)3877、代表携帯090(6682)2777。