新型コロナウイルスの感染拡大が石巻市の企業誘致活動を直撃している。3月上旬以降、市外企業への訪問活動は中止を余儀なくされ、誘致の機会を喪失している可能性もある。政府の緊急事態宣言が14日に宮城県も解除されたことを受け、市は近く県内での企業訪問を再開するが、県外については東京の解除など、状況を見て判断する。

 市は2018年度に始めた立地意向調査(首都圏など2450社)などに基づき、19年度は東北地方や首都圏、愛知県で延べ100社を超える企業を訪問、昨年5月は10社を回った。昨年度の実績は東日本大震災後で最多だという。

 しかし、新型コロナの影響で3月4日に仙台市の建築資材企業を訪問したのを最後に、市外の企業訪問活動はストップしている。

 「進出について検討していく」と回答していた県外企業のうち1社が「コロナでいったん見直し、収束後の状況を見て検討する」と県を通じて伝えてきた。

 市産業推進課の担当者は、新型コロナの感染防止で訪問活動を自粛する事態を「誘致の機会を失っている可能性がある」と懸念。「収束後の経済活動を見据えながら企業誘致活動を進めていく必要がある」と話す。

 市が策定した企業誘致推進計画では、20年度までの3年間で誘致企業12件、新規雇用創出数195人を目指す。これまでに県内企業2社を誘致(雇用者数14人)したが、目標達成はかなり厳しい状況だ。

 「汗をかいても必ず実を結ぶわけではない」(市関係者)とされる企業誘致。石巻への企業進出が進まない現状に新型コロナが追い打ちをかけている。

 市は県内企業から訪問を再開させるが、企業側の事情を考慮し、訪問を了解した場合に限る。

 市産業推進課の担当者は「コロナ不況で企業を取り巻く状況は厳しいが、戦略を練る好機。やれることを探し、計画目標の達成に向け誘致活動に力を尽くしていく」と前を向く。