女川町の水産加工会社「鮮冷」と「マルキチ阿部商店」は30日、販路や加工設備、ノウハウなどを共有する業務提携契約を結ぶ。漁獲高の減少や後継者不足、新型コロナウイルスの感染拡大による苦境を乗り越えようと、互いの強みを生かした商品開発や販売力強化に乗り出す。

 両社は繁忙期の人材確保や原材料の提供に関しても協力する。すでに販売先への営業や商品開発の協力は進めており、互いに持つ販路や情報を共有することで、顧客に対する幅広い提案につなげる。

 鮮冷は2013年、同町の石森商店と岡清が共同で設立。細胞を壊さず劣化を防ぐCAS凍結機を導入し、食品安全管理の国際規格FSSC22000も取得している。ホタテを中心にホテルや飲食店、スーパーなどに販路を持つ。

 マルキチ阿部商店は1925年創業。手作りの家庭の味にこだわり、特産のサンマを使った商品が主力となっている。百貨店や通販などで取り扱いがあり、ギフトや土産品としての人気が高い。東日本大震災で工場が流失し、2014年に再建した。

 鮮冷の石森洋悦社長(63)は「率直な意見を言い合える存在は重要。良い製品を届け、東日本大震災でいただいた支援に恩返ししたい」と話し、マルキチ阿部商店の阿部淳社長(45)は「お客さまのニーズに応え満足してもらえるよう、連携してより良い商品を作っていきたい」と語った。