東松島市小野の高齢者施設「ケアハウスはまなすの里」が、情報通信技術(ICT)を積極的に取り入れ、業務の効率化とサービスの向上につなげている。介護記録の記入を職員個々のスマートフォンで行うなど、業界では先進的な取り組みという。運営する社会福祉法人ことぶき会の伊藤寿志理事長(48)は「介護現場のイメージを変えたい」と意気込む。

 はまなすの里では、介護士や看護師、ケアワーカーなど45人が勤務。ケアハウスとグループホームの入所者48人のほか、デイサービス利用者を1日10人ほど受け入れている。

 業務の効率化や若者が働きやすい職場づくりを目的に、昨春からICTを強化した。スマホで体温や血圧などの介護記録や生活の様子を記入し共有できるシステムを導入。利用者の家族がアクセスして閲覧したり、職員にメッセージを送ったりすることもできる。

 以前は紙に書いた記録を入所者別にファイルへ保存していた。介護士の村山里美さん(44)は「スマホは複数人が同時に開けるし、すぐに書き込めるので細かい部分も情報共有しやすくなった。ご家族からのメッセージも励みになる」と話す。

 職員間で情報伝達する時には、スマホでチャットをすることが多い。利用者の様子を、言葉だけでなく写真付きでやりとりすることができる。看護師の伊藤純子さん(47)は「皮ふの状態など目で見た方が分かりやすいものもある」と利便性を実感している。

 新型コロナウイルス対策にも効果を発揮している。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使いミーティングすることで、ケアハウスやデイサービスなど異なる部署で働く職員との接触が減った。家族の面会にもズームやLINE(ライン)を活用している。

 多くの事業所は、パソコン上に介護記録などを保存するシステムの導入にとどまっているという。昨年は、県の職員や県内外の同業者などが視察に訪れた。

 伊藤理事長は「安心して利用してもらえるのはもちろん、若い人に面白いと思ってもらえる事業所づくりをしていきたい」と力を込めた。