郵便局の配達員が集配業務をしながら空き家を見つけ、情報通信技術(ICT)を活用してデータを蓄積する実証実験が、全国で初めて東松島市で始まった。市が把握する全ての空き家の現況を調べ、新たに空き家となった物件も見つける。情報を受けた市は、対策や移住・定住施策に生かす。

 全国にある郵便局を地域の課題解決に生かそうと、総務省が昨年度から取り組む「郵便局活性化推進事業」のモデル事業で、日本郵便東北支社(仙台市青葉区)と東松島市が取り組む。

 新たな空き家を見つける調査は、矢本と赤井の両地区が対象。矢本集配センターの配達員約20人が担う。総務省が貸与する小型タブレット端末12台を使い、「郵便物がたまっている」「窓ガラスが割れている」など6項目の調査票と、外観の写真、地図情報をまとめて登録する。

 市の2017年度の調査で217軒あった空き家も追跡調査する。矢本、河南両郵便局で金融商品などの渉外に当たる局員13人が、現在の状況を確かめる。

 調査期間は12月末まで。市は来年度以降、空き家の活用方法を検討する。

 1日に市役所であった開始式で、渥美巌市長は「空き家を活用して、交流・定住人口を増やしたい」とあいさつした。東北支社の古屋正昭支社長は「空き家を把握することで、集配や渉外の業務の効率性が高められる」と述べた。

 郵便局活性化推進事業は本年度、東松島市と北海道帯広市が空き家調査に取り組み、国の予算は計2000万円。昨年度は遠野市など全国3市町が郵便局員による高齢者の見守りなどを実施した。