東日本大震災の津波で浸水した宮城県東松島市宮戸の農地で栽培したモモが、収穫期を迎えている。里浜地区の漁師が地域の再起を願い、2016年3月に苗木を植えて3年目。ようやく市場に初出荷できるほど実り、関係者は「モモを特産にしたい」と意気込む。

 8日は午前9時から、現地で3個入り1パックを500円で直売。用意した軽トラックの荷台1台分はすぐに売り切れ、その場で収穫したモモも午前10時ごろに完売した。
 販売した奥松島果樹生産組合「いちじくの里」の尾形善久組合長(72)は「昨季はサルに食べられてしまったが、今年はよくここまで育ってくれた」と喜ぶ。
 同組合は15年4月に発足。県や市などが取り組む「奥松島地域営農再開実証プロジェクト」の一環で農地を復活させた。ノリやカキを養殖する組合員8人が漁の仕事が少ない3~10月を中心に活動する。
 モモは16年3月、約0.6ヘクタールに苗木約140本を植えた。昨年は約900個実ったが、サルの食害で市場への出荷を断念。今年は2カ所の農地を電気柵と漁網でそれぞれ囲ってサルの侵入を防ぎ、1個も被害を出さなかった。
 収穫は5日に始まり、今月末までに約8000個を見込む。石巻青果花き地方卸売市場に出荷するほか、地元住民に販売する。宮戸地区の子どもたちの収穫体験も計画している。
 尾形組合長は「昨年の約10倍の実がなった。来年はさらに増える。将来はモモをブランド化して観光果樹園にしたい」と語る。