東日本大震災で被災し、学校再編に伴って閉校した宮城県東松島市野蒜小と宮戸小の校歌を卒業生らが合唱して録音する「校歌復刻ワークショップ」が26日、市野蒜市民センターであった。約80人が在りし日の学びやに思いをはせ、思い出の詰まった歌を高らかに合唱した。

 両校の元教諭がピアノ伴奏を担当。学校ごとに輪になり、3度の練習を経て高音質のハイレゾ方式で録音した。参加者は深呼吸したり目を閉じたりして集中すると、伸びやかな歌声を会場に響かせた。
 野蒜小を卒業した桜坂高1年の小野美岬さん(16)は「昔を思い出して歌った。改めて校歌っていいなあと感じた」と話した。
 録音に先立ち、地域を題材にしたクイズや学校生活の思い出の発表があり、参加者は当時を懐かしみながら親睦を深めた。
 宮戸小の卒業生で、両校が統合して2016年4月に開校した宮野森小の運営協議会長野田善弘さん(57)は「校歌には地域の情景が刻まれている。今回の試みはみんなの心に残る上、記録にもなる。素晴らしい取り組みだ」と語った。
 音楽による復興支援に取り組む栗原市の一般財団法人オーバーザレインボウ基金が、親交のある東松島市民に企画を打診して実現した。収録した合唱とワークショップの動画は編集し、3月にも基金のホームページで公開する。CDも制作し、地域に届ける計画だ。
 栗原市出身の音楽家で基金代表理事の狩野香織さんは「地域の熱意と協力があって実現できた。身近でかけがえのない校歌という音楽を幅広い世代の人が歌い継ぎ、古里への思いを共有してほしい」と願った。