酒田市が市監査委員による2018年度行政監査で、職員の防災意識が「相当低い」と指摘され、抜本的な改善を求められていたことが16日、分かった。災害時の初動態勢を過半数が理解していないなどの問題点が判明。酒田大火から40年以上が経過するなどし、職員の危機感が薄れた現状を厳しく問われた。

 3月末に公表された監査結果によると、監査委員は市地域防災計画の初動態勢の実効性を検証。職員881人対象の意識調査で、どんな災害が発生したら非常配備などに就くのかという招集基準を把握していない職員の割合は53.1%と過半数を占めた。招集時にすぐ持参できる自分用の携行品を準備していない職員も86.9%に上った。
 43.8%が担当避難所の運営マニュアルを持っておらず、37.0%は鍵の保管場所を知らなかった。市や自治会主催の防災訓練に参加したことがない職員は42.8%もいた。
 監査委員は職員の現状について「認識が甘い」「初動態勢が整わない恐れがある」「準備不足だ」と厳しく批判。市に対して職員の防災意識を向上させるよう強く求めた。
 意識調査の回答率が44.0%にとどまった点についても、監査委員は防災意識低下の表れだとして問題視した。17年度行政監査で実施した「庶務事務システムの運用状況に関するアンケート」で、関係職員842人の回答率が92.9%だったのとは対照的だった。
 監査はこのほか、一部の防災資機材の倉庫が津波や洪水の浸水想定区域内に設置されていることを不適切だと指摘した。
 酒田市は年間を通して風が強く、1976年に発生し1774戸が焼けた酒田大火など大規模火災が歴史的に多い。国内7位の長さの最上川河口に位置し、昨年8月の豪雨で避難指示を出すなど洪水も繰り返してきた。
 市の担当者は「大災害が起きるという現実感が職員の間で希薄になっていた。年度内に災害発生時のより実践的な行動計画を作るなどして、災害対応の改善を図りたい」と話す。