夏も近づく八十八夜-の唱歌に倣い、陸前高田市米崎町の北限の茶畑で、今年も「気仙茶」の摘み取りが行われた。
 広田湾を見下ろす丘陵地帯では、藩制時代から多くの農家がお茶の栽培を続けている。樹齢100年の木は深く根を張り、冷涼な浜風に耐えて茶葉を茂らせてきた。
 ところが2011年、東京電力福島第1原発事故で基準値を超える放射性セシウムを検出。気仙茶は出荷自粛に追い込まれた。
 貴重な農耕文化を絶やしてはならないと結成したのが「北限の茶を守る気仙茶の会」だった。13年には安全が確認されて栽培を再開。今は約50戸が年間計600キロ生産している。
 「潮風から豊富にミネラルを吸収して香り高い茶葉ができる」と気仙茶の会会長の菊池司さん(70)。「自分で摘んだお茶で一服するのが最高なんだ」