東日本大震災の津波で大きな被害を受けた福島県いわき市久之浜町で9日、防潮堤のかさ上げや防災緑地の整備などを進めた県の復旧復興事業の完工式があった。津波高潮対策を組み合わせる同様の多重防御を導入した市内7地区の県事業が全て完了した。

 防潮堤(長さ約2.5キロ)を海抜7.2メートルに1メートルかさ上げし、津波の威力を減衰する高さ8.2メートルの防災緑地(広さ11.2ヘクタール)を新設。道路や橋、港、河川護岸の復旧や改良も進めた。

 完工式には関係者約70人が出席。前身の幼稚園の園舎が津波で被災し、地区内で再開した久之浜こども園の年長組23人がダンスを披露し工事の完成を祝った。

 住民で組織する久之浜・大久地区復興対策協議会の木田寿夫会長(77)は終了後、「安心して住めるまちになったと思う。市の土地区画整理事業で整備された宅地には空き地がある。若い人が戻れるまちづくりを皆で考えたい」と話した。

 四倉や薄磯、豊間など市内7地区では2017年度から県工事が順次完成した。県沿岸で県が整備するのは7地区を含む10地区で、残る相馬市の原釜尾浜地区は年度内完了を見込む。