成人の日の13日、東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市の千葉しげ子さん(73)が熊本県山鹿市で開かれた式典に駆け付け、震災の際に励ましを受けた新成人と初めて面会して感謝と祝福を伝えた。当時小学生だった新成人はうちわに励ましのメッセージを書き、そのうちわが千葉さんに届けられていた。

 千葉さんは、気仙沼市で経営していたペンションが震災による津波で流される苦難を経験。山鹿市内の小中学生らのメッセージが添えられたうちわ約6000本が2011年に被災地へ送られ、当時小学6年だった福岡県岡垣町の会社員森正秀さん(20)が記入したうちわが千葉さんの手元に届いた。

 記された「ぼくたちもおうえんしています。みんな仲間です。いつも笑顔で」というメッセージに励まされ、千葉さんは12年秋に市内でペンションを再開。毎年夏にそのうちわを使い、森さんらの健やかな成長を願ってきた千葉さんは「直接会って感謝を伝えたい」と成人式に駆け付けた。

 式典後の対面式で森さんと当時の同級生約20人と会った千葉さんは、持参したうちわを手に「1枚のうちわに背中を押された。これから前を向いて希望を抱いて生活してほしい」と涙ぐんだ。

 森さんは対面式後に「熊本地震があり、同じ被災者という立場でも縁を感じて会いたいと思った。身内ではない人にも祝ってもらえてうれしい」と話した。